2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14085204
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 雅史 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (00135419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 幸一 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (60264066)
横尾 真 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (20380678)
定兼 邦彦 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (20323090)
溝口 佳寛 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (80209783)
朝廣 雄一 九州産業大学, 情報科学部, 助教授 (40304761)
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Keywords | 分子計算 / 分散計算 / ランダムウォーク / エネルギー障壁問題 / タイリング |
Research Abstract |
分子計算には計算過程の物理的拘束や選択的ランダム性など,自律性が由来すると期待される魅力的な側面を有するものの,現在の所は,ごく大雑把に言えば,塩基間の相補性を計算規則とする超並列シラミ潰し探索に留まっている.そこで,分子計算の特徴を生かした分子プログラムの設計論の開発が焦眉の課題であり,これが本特定領域研究を行う目的の一つであった. 本年も上記の目的を達成するために多くの研究が進められた.しかし一方,中間評価では各班間の共同研究の重要性が指摘されており,我々もその重要性を認識して共同研究に務めてきた.そこで,本報告では,特に今年度の共同研究の成果を以下では説明することにする. まず,第1に,DNA計算における,DNA分子の2次構造変化速度をランダムウォークモデルを用いて解析し,陶山班が実測した変化速度を説明できるモデルであることを示した.このモデルの妥当性は来年度の検討課題として残されている.つぎに,DNAの2次構造間のエネルギー障壁を近似的に求めるアルゴリズムを提案した. 従来は,萩谷班が作成した,長さが50以下の短いDNAに対して常に正しいエネルギー障壁値が得られるアルゴリズムが使用されていたが,我々のアルゴリズムは長さが200以上のDNAに対しても実用上は十分の精度の近似解を得ることができる.萩谷班ではこのアルゴリズムをDNA設計に早速用いることにしている.最後に,DNA計算の主要なモデルであるタイリングの研究から分散ネットワークにおけるブロードキャスト問題に対する新しいアルゴリズムが得られた.再帰的なブロードキャストから自然に定義されるネットワーク上の分割がタイリングから定義される構造と自然に対応付けられることが見出されたのが発端である.現在は3次元トーラスネットワークへの拡張を検討している.
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Research Products
(26 results)