Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横尾 真 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 教授 (20380678)
定兼 邦彦 九州大学, 大学院システム情報科学研究院, 助教授 (20323090)
溝口 佳寛 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (80209783)
朝廣 雄一 九州産業大学, 情報科学部, 助教授 (40304761)
貞廣 泰造 熊本県立大学, 総合管理学部, 助教授 (00280454)
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Research Abstract |
分子計算には計算過程の物理的拘束や選択的ランダム性など,自律性が由来すると期待される魅力的な側面を有するものの,現在の所は,ごく大雑把に言えば,塩基間の相補性を計算規則とする超並列シラミ潰し探索に留まっている.そこで,分子計算の特徴を生かした分子プログラムの設計論の開発が焦眉の課題であり,これが本特定領域研究を行う目的の一つであった.中間評価では各班間の共同研究の重要性が指摘されており,我々もその重要性を認識してそれ以降は共同研究に務めてきた.たとえば,局所探索に基づく配列設計アルゴリズムを改良し,萩谷班の創案した4連ヘアピン構造を実現する配列の設計に取り組んだ. 一方,本研究の題目「自律分散型計算としての分散計算」が示すように,分散計算の理論計算科学的立場からの検討も重要な課題であった.我々は分散計算という範疇から見たときの分子計算の特殊性として,匿名性に注目した.匿名システムとは計算主体が名前を持たないような分散システムのことである.事実,分子計算では,同じ構造を持つ分子は同じ働きをし,当然のことながら,それぞれの分子が異なる名前を持つことはない.このような,匿名システムの計算能力について,特に,自律分散ロボットシステムのフォーメーション問題すなわち,あるパターンを形成する問題を詳しく解析した.さらに,昨年度からの継続として,乱歩に利用する情報の質と効率の関連を検討した.なお(特にギブス分布に基づく)乱歩が分子の2次構造変化のモデルとして有用であることが昨年度までに行われた研究から明らかになっていた.
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