2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト及び酵母細胞におけるストレス応答シグナル伝達経路の制御機構
Project/Area Number |
14086202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 春雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60114485)
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Keywords | 遺伝子 / 環境 / 酵素 / シグナル伝達 / ストレス |
Research Abstract |
1.ヒト細胞におけるMTK1 MAPKKK活性化機構の解明 昨年度に引き続き、ストレスMAPKKとストレスMAPKKKとの特異的相互作用に必要なDVDドッキングドメインの機能解析を行った。活性化したMAPKによってMEK2 MAPKKのDVDドメイン近傍のアミノ酸がリン酸化されることは、昨年度報告した通りであるが、本年度は、MKK3/6のDVDドメインも同様にMAPKによってリン酸化されることを見出した。このようなフィードバック・リン酸化によるストレスMAPK経路の制御について、より詳細な検討を行いつつある。 2.浸透圧ストレスによる酵母Sho1浸透圧センサーの活性制御機構の解明 酵母の膜タンパク質Sho1は、細胞外の浸透圧変化に応答して細胞内のHOG MAPK経路を活性化するのに必要であるが、その機能については不明な点が多い。本年度は、Sho1の機能を解明するために、site-directed mutagenesisを用いて、Sho1の4個の膜貫通部位(TM1〜TM4)の各アミノ酸を系統的に他のアミノ酸に置換した変異株を構築した。野生型と異なる表現型を持つ変異株を解析した結果、3種類に分類することが出来た。1)Sho1を恒常的に活性化するもの。2)Sho1とムチン様膜タンパク質Hkr1/Msb2との相互作用を阻止する結果、HOG経路の活性化が不能になったもの。3)Hkr1/Msb2との結合は正常だが、HOG経路の活性化が不能なもの。 これらのSho1変異株の解析によって、Hkr1/Msb2がSho1を活性化する機構の詳細を明らかにしつつある。
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