2004 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳動物のストレス応答MAPキナーゼ経路における足場タンパク質の解析
Project/Area Number |
14086205
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
善岡 克次 金沢大学, がん研究所, 教授 (60200937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 道彦 北里大学, 理学部, 講師 (90240994)
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Keywords | 細胞内シグナル伝達 / MAPキナーゼ / 足場タンパク質 / JNK |
Research Abstract |
足場タンパク質JSAP1は、MAPキナーゼ(MAPK) JNKシグナル伝達の特異性維持やJNK MAPK経路の時空間的制御に関わる因子であると考えられているが、詳細については不明な点が多い。また、Jsap1 KOマウスは生後すぐに死亡するため、成体マウスにおける機能を調べることはできない。そこで、Cre-loxPシステムを用いたJsap1コンディショナルKOマウスの作製に着手し、本年度作製に成功した。一方、JSAP1とJNK経路の機能的な関係については線虫を用いた遺伝学的な解析により証明されているが、JNK経路に非依存的なJSAP1の機能、あるいはJNK経路とオーバーラップしたJSAP1の機能については明らかにされていない。本年度は、先ず、JSAP1におけるJNK結合部位を詳細に検討した。その結果、206番目のプロリン残基がJNKとの相互作用に重要であり、アラニン残基に置換した変異JSAP1(P206A)はJNK結合能を失うことを見出した。さらに、Jsap1(P206A)/+、及びJsap1(P206A)/(P206A)ノックイン(KI) ES細胞を作製した。今後、Jsap1(P206A) KIマウスを作製し、Jsap1 KOマウスの表現型と比較検討することにより、JSAP1とJNKの機能的な関係を明らかにすることができると期待される。 Jsap1 KOマウスES細胞を作製し、胚様体形成法によるin vitro分化系を用いて解析した。その結果、JSAP1は中胚葉から心筋への分化過程において重要な役割を担っていることが強く示唆された。 JSAP1ファミリーメンバーであるJSAP2のin vivoにおける機能を明らかにするため、Jsap2 KOマウスの作製に着手した。本年度は、Jsap2^<+/->マウスES細胞の作製に成功し、現在、キメラマウスの作製を行っている。また、JSAPと同様に、MAPK経路の足場タンパク質と考えられるJNKBP1の機能解析を行うため、Jnkbp1^<+/->マウスES細胞を作製した。
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