2006 Fiscal Year Annual Research Report
線虫C.elegansをモデル動物としたストレス応答シグナル伝達経路の解析
Project/Area Number |
14086206
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
久本 直毅 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助教授 (80283456)
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Keywords | MAPキナーゼ / ストレス応答 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
線虫JNK/p38キナーゼカスケードの因子群について、これまでに変異体を網羅的に単離していたが、ほぼ全ての因子についてその単離を完了した。また、これまでの研究では、線虫JNK/p38キナーゼカスケードの因子群について、神経機能や発生、酸化ストレスや重金属ストレス等に関与するものを明らかにしてきたが、まだその生理機能が不明のものも多く残っていた。そこで、そのような因子の機能を探ったところ、新たにMAPKKKであるMTK-1とZAK-1、MAPKKであるSEK-3およびMAPKであるPMK-3が、小胞体ストレス耐性に関与することを見いだした。小胞体ストレスを起こす薬剤ツニカマイシン存在下でこれらの変異体を生育させたところ、いずれもその生存率が大幅に低下した。他の既知のMAPKカスケードの因子についても調べたところ、SEK-1-PMK-1からなるキナーゼカスケードの変異体も、ツニカマイシンに対し感受性を示し、またツニカマイシン処理によりカスケード依存的にグルタチオン合成酵素が発現誘導されることがが判明した。さらに、MLK-1-MEK-1-KGB--1からなるキナーゼカスケードの変異体も、ツニカマイシンに対し感受性を示すことが判明した。一方、dlk-1(DLKホモログ)やmkk-4(MAPKK)、PMK-2(p38MAPK)変異体は顕著な感受性を示さなかった。これらのことから、個体レベルでは小胞体ストレス耐性に複数のMAPKカスケードの因子が関わっていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)