2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14087203
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀 道雄 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40112552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽田 貞滋 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00192625)
渡辺 勝敏 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00324955)
山岡 耕作 高知大学, 農学部, 教授 (20200587)
幸田 正典 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70192052)
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Keywords | 左右性 / タンガニイカ湖 / シクリッド / コウイカ / カニ類 / ザリガニ / 交差捕食 / 遺伝様式 |
Research Abstract |
タンガニイカ湖の沿岸魚類群集の12年間の調査結果を解析し,全種の左右性の比率が約5年周期で振動していることを示した。同様に、琵琶湖の沖帯魚類群集においても、過去10年間の調査結果を解析し、全種の左右性の比率が約6年周期で振動すること、特に被食者のアユとブルーギルが捕食者であるハスの振動を1年遅れの周期で追いかけることを示し、その駆動力は捕食-被食関係であることを明らかにした。各捕食者は自分と逆の利きの被食者を多く捕食しており、数理モデルによる検討によって、この交差捕食は群集の多様性を高めるが、種分化に対しては抑制的に働くことを示した。 イカ類の左右性を判定する形態的手法を開発し、イカ類にも左右性があることを実証した。そして、フィリッピン海においてコウイカ類の現地調査を行い、コウイカにおいても左右性の比率は明瞭に振動していること示した。 カニ類の左右性を判定する形懸学的手法を開発し,全ての種で左右性が存在することを示した。そして、野外でイソガニ類を捕食しているカサゴ類2種の採集を行い,カサゴ類の胃内容分析から魚類同士で見られたものと同様の交差捕食がみられることを実証した。 ザリガニを使ってエビ類の左右性を行動実験と繁殖実験を行い、エビ類の行動学的・形態学的な左右性を実証し、その遺伝様式の解明を進めている。魚類の左右性の遺伝様式についてはメダカを用いた交配実験で解析を進めている。その表現型比率は左右性がメンデル遺伝することを示唆しており、これまでの予測を裏付ける結果を得つつある。 近縁種の共存機構を探るため、混群を形成するシクリッド科魚類を対象に野外観察を行い、またその遺伝的近縁度と種分化パターンをAFLP法により解析した。その結果、共存種の近縁度は低く、色彩の類似は収斂であること、そしてそれぞれの種の雄が同種の雄を排斥することで近縁種の共存が達成されることが示唆された。
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Research Products
(6 results)