2007 Fiscal Year Annual Research Report
植物の交雑と倍数体形成を介した種分化の分子機構解明
Project/Area Number |
14087205
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
長谷部 光泰 National Institute for Basic Biology, 生物進化研究部門, 教授 (40237996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 隆 基礎生物学研究所, 生物進化研究部門, 准教授 (00242024)
日渡 祐二 基礎生物学研究所, 生物進化研究部門, 助教 (10373193)
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Keywords | 倍数体 / MADS-box / 花粉管 / ガイダンス / レセプターカーネイス / 閉鎖花 / 解放花 / タネツケバナ |
Research Abstract |
(1)シロイヌナズナ花粉管ガイダンス因子の探索と機能解析 (a)花粉管ガイダンス異常が観察された8x9について昨年度野生型とのバッククロスを行った個体の観察を行い、候補RLKがこの表現型の責任遺伝子であることを確かめた。(b)アニリンブルー染色、切片観察により、花粉管伸長停止点を特定できた。(c)GFP融合タンパク質を用いて細胞内局在を調べ、膜上にあることがわかった。(d)リガンド探索にはいたらなかった。 (2)MIKC^*型MADS-box遺伝子の花粉管伸長制御の分子機構解明 (a)MIKC^*型MADS-box遺伝子の4重遺伝子破壊体についてマイクロアレイによって野生型花粉との遺伝子発現様式の違いを調べた。 (b)in vivoでの花粉管伸長動態を観察し、これら遺伝子の花粉管ガイダンス、伸長における機能を推定し、現在論文作成中である。 (3)受精効率に関わるヒメツリガネゴケMADS-box遺伝子の機能解析 (a)6重遺伝子破壊株において、野生型と比べて受精効率が減少した理由を解明する。葉表面のワックス量を葉緑素の抽出効率から算定した。さらにアブシジン酸との関連植物ホルモンとの関連が示唆された。 (4)ドクダミの花弁進化の分子機構 (a)ドクダミ、ドクダミの花弁が葉化したミドリドクダミ、全ての苞が花弁化したヤエドクダミの花原基を用いて、in situハイブリダイゼーションによって、花弁形成に関わるMADS-box遺伝子ホモログの発現様式を調べた。その結果、花弁化するしないに関わらず、苞原基で花器官形成遺伝子が発現しているという予想外の結果を得た。このことから、ドクダミ下部苞の花弁化は花器官形成遺伝子のリクルートではなく、器官サイズを制御するような遺伝子の進化によって生じた可能性が高いことがわかった。
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