2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14101001
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Research Institution | 九州芸術工科大学 |
Principal Investigator |
中島 祥好 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (90127267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大串 健吾 京都市立芸術大学, 音楽学部, 教授 (00203745)
鏑木 時彦 九州大学, 大学院・芸術光学研究院, 助教授 (30325568)
上田 和夫 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 助教授 (80254316)
森 周司 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10239600)
佐々木 隆之 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (20158926)
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Keywords | 音声言語知覚 / 時間知覚 / 音楽知覚 / 選択的注意 / 聴覚体制化 / 音脈の文法 / 音声言語学習 |
Research Abstract |
音声や音楽の知覚において、時間長、時間構造(リズム)の知覚がどのような役割を果たしているかについて、基礎的な実験、および過去のデータの再分析を行った。特に、時間的文脈が時間長の知覚にどのような影響を与えるかを、詳しく検討した。また、聴覚における選択的注意の役割について、実験を行い、「音脈の文法」の仮説に結びつけることを試みた。さらに、調音運動と音声知覚との結びつきに関連して、日本語閉鎖音の時間構造についての実験データを蓄積しつつある。一方、第二言語の知覚に母語の知覚体系が及ぼす影響について、日本語を母語とする実験参加者に米語聞き取りの知覚訓練を行い、雑音下での米語聞き取り成績にどのような変化が生ずるのかを調べた結果、雑音のない環境で行われた知覚学習の般化が、雑音下にも見られることが確認された。以上の事柄について、ラヴァル大学(カナダ)のSimon Grondin教授、ライデン大学(オランダ)のGert ten Hoopen準教授を招聘し、さらに、研究グループの合宿を行うなどして、時間知覚、時間的動作、聴覚体制化、音声知覚を統一的に理解するような試みに関して討論し、必要に応じて共同研究を行った。その結果に関連して、諸言語における、音韻構造と統語構造とを、知覚心理学の立場から統一的に捉えることが可能かどうかについて、考察を進めている。一方では、言語学の分野における最新の理論を、通常は言語学の対象とならない聴覚の知覚内容に適用することによって、「音脈の文法」の仮説を、現実の聴知覚をより柔軟に記述するものへと発展させつつある。
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Research Products
(22 results)
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[Publications] Tokihiko Kaburagi, Koji Kawai: "Analysis of voice source characteristics using a constrained polynomial model"Proc.Eurospeech2003. 461-464 (2003)
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[Publications] 若宮幸平, 鏑木時彦, 誉田雅彰: "3次元磁気位置計測における解の収束性"日本音響学会秋季研究発表会講演論文集. 3-8-16. 299-300 (2003)
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[Publications] 阿部真也, 鏑木時彦: "制約多項式モデルを用いた有声音源特性の分析-声門開閉時点の探索-"日本音響学会秋季研究発表会講演論文集. 3-8-17. 301-302 (2003)
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[Publications] 田部洋祐, 鏑木時彦: "等角写像を用いた声門流の解析"日本音響学会秋季研究発表会講演論文集. 3-8-18. 303-304 (2003)
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[Publications] 辻拓哉, 金智之, 若宮幸平, 鏑木時彦: "音素別ニューラルネットワークを用いた調音-音響マッピング"日本音響学会音声研究会資料. SP2003-96. (2003)
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[Publications] 田部洋祐, 鏑木時彦: "等角写像を用いた2次元声門流の解析"日本音響学会音声研究会資料. SP2003-97. (2003)
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[Publications] Katsuse, M.I., Ueda K.: "Relation between word intelligibility in noise and the adequacy of accent patterns in words"The 18th International Congress on Acoustics, Kyoto. (発表予定). (2004)
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[Publications] 上田和夫, 駒木亮, 山田玲子: "雑音下の米語/r/-/l/知覚:SN比と訓練の効果"日本心理学会第67回大会発表論文集. 906 (2003)
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[Publications] 上田和夫, 山田玲子, 駒木亮: "雑音下の米語/r/-/l/知覚:日本語話者における訓練とSN比の効果"日本音響学会秋季研究発表会講演論文集. 1-7-19. 399-400 (2003)
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[Publications] 古山竜司, 上田和夫: "合成音声の高さの弁別閾:基本周波数の変化による違い"日本音響学会九州支部第5回学生のための研究発表会講演論文集. 1-4 (2003)
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[Publications] 上田和夫, 勝瀬郁代: "ピッチアクセント型が単語了解度に及ぼす効果"日本心理学会第68回大会発表論文集. (発表予定). (2004)
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[Publications] 古山竜司, 上田和夫: "高さの弁別閾:基本周波数の変化による違い"日本音響学会聴覚研究会資料. H-2003-107. (2003)
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[Publications] 森 周司: "感受性、検出閾、聴覚フィルター-聴覚フィルターによる情報マスキングの効果の定量化-"信学技法. HIP2003-94. 25-29 (2003)
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[Publications] 森 周司: "情報マスキング下の感受性の検出閾"日本音響学会聴覚研究会資料. H-2003-112. 659-664 (2003)
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[Publications] Mori, S., Kataoka, A.: "Frame effects in visual search for line orientation"Perception & Psychophysics. (in press). (2004)
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[Publications] 森 周司: "情報マスキングと聴覚ポップアウト"日本心理学会第67回大会発表論文集. 13-15 (2003)
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[Publications] 松井淑恵, 大串健吾: "Missing fundamental音の音高判断-持続時間と提示順序の効果-"日本音響学会講演論文集(2003年秋期). 441-442 (2003)
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[Publications] John Iversen, Aniruddh Pate, Kengo Ohgushi: "Perception of nonlinguistic rhythmic stimuli for American and Japanese listeners"ICA2004 in Kyoto. (発表予定). (2004)
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[Publications] Ryota MIYAUCHI, Yoshitaka NAKAJIMA: "BILATERAL ASSIMILATION OF TWO NEIGHBORING EMPTY TIME INTERVALS"RHYTHM PERCEPTION AND PRODUCTION WORKSHOP, Ile de Tatihou, France. (2003)
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[Publications] Kohei Wakamiya, Tokihiko Kaburagi, Masaaki Honda, Masashi Sawada: "An investigation on the measurement accuracy of the three-dimensional electromagnetic articulography"Proc.International Seminar on Speech Production. 302-307 (2003)
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[Publications] 田部洋祐, 曲淵健太郎, 鏑木時彦: "渦法と等角写像を用いた2次元声門流モデル"日本音響学会音声研究会資料. (発表予定). (2004)
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[Publications] 森周司: "基礎研究を応用に生かす.仲真紀子(編著)認知心理学の新しいかたち"誠信書房(印刷中). (2004)