2005 Fiscal Year Annual Research Report
社会経済への浸透過程における技術の性格形成メカニズム(製造技術とITとの比較分析
Project/Area Number |
14101009
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 千仭 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (60220901)
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Keywords | 技術の社会経済への浸透 / 技術の性格形成 / IT / 社会経済体質の柔軟性 / 情報化社会 |
Research Abstract |
1.平成17年度(2005年)は、5年計画の研究の4年目として、16年度までに行った試行分析・マクロ分析及び現地踏査、経年観測をベースに、その発展継続と共に、構築した国際的な研究ネットワークをフルに活用して、ミクロ分析・深化分析を加速的に展開。更に、日本の携帯電話主導のITとインステイテューションとの共進化の進展に触発されて総合分析、比較調査を加速的に実施。 2.以上の研究の一環として、5月及び9月に墺国の国際応用システム分析研究所(IIASA)において、「製造技術とITとの比較に視点を据えた社会経済への浸透過程における技術の性格形成メカニズムの解明」をテーマに、12カ国28人、11カ国28人の国際的・学際的専門家の参加によるワークショップを開催。更に、独(7月)、露(8月)、瑛・仏・中・印(9月)、豪(11月)、米(12月)とバイラテラルな比較分析検証会議を多層的に開催。 3.以上の結果、次のような注目すべき成果を得、命題解明への基本的知見を取得。 (1)日本の携帯電話は、普及過程において利用者の旺盛な学習と相俟って、自己増殖的に高機能化し、性格を変容させ、インステイテューションを変革させ、両者の共進化を発現し、経済を活性化。 (2)共進化は、学習と機能高度化の好循環に負い、人の交流に付随する技術スピルオーバーを媒介。 (3)企業の90年代の学習の差は、技術の性格形成過程の内生化に差異をもたらし、2000年代に収益構造の2極化に結実。同質性を誇った日本企業群の体型を変容し、異質化。 4.以上の結果は、ウイーンでの国際MOT学会(IAMOT)を始めとする国際学会及び研究・技術計画学会等の国内外学会に発表するとともに、国際学術誌に投稿。
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Research Products
(23 results)