2004 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属を活用したプログラム分子集合:ナノ領域物質群の創出と機能発現
Project/Area Number |
14103014
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 誠 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90209065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 正規 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30247217)
富永 昌英 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60361507)
吉沢 道人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70372399)
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Keywords | 自己組織化 / 球状錯体 / ホスト・ゲスト / 孤立空間 / チューブ錯体 / テンプレート / 有限集積 / ナノ |
Research Abstract |
本研究では、精密設計されたパネル状分子がナノ領域で錯形成により自己組織化し、生体分子に匹敵する昨日を発現する。「自己組織化分子システム」を創出する。例えば、正三角形の三座配位子(L)をシス位で保護したPd(II)錯体[(en)Pd<NO_3)_2](M)でつなぐと、M_6L_4組成で三次元的に閉じたかご型錯体が定量的に自己集合する。その他にも、ピリミジル基を両端に有する直線状配位子から四面体型錯体が、短冊状骨格と三角形パネル状骨格を連結した配位子からでは、2種の鋳型分子の協同作用によるアロステリック自己組織化によりチューブ錯体が構築されることを見出した。折れ曲がった二座配位子と平面四配位Pd(II)イオンからは、最大36成分からなるM_<12>L_<24>組成の立方八面体対称の球状構造が自己組織化する。そこで個々の配位子に官能基(糖、エチレングリコール)一つを導入することにより、球状表面および内面への修飾にも成功した。90度の角度を有する二座配位子から、M_6L_<12>組成の立方体方カプセルが組み上がった。また、三座配位子を用いた場合では、M_<18>L_<24>組成の直径4.0nmの球状鎖体が定量的に構築された。また、芳香族系平面分子の有限集積系の確立に成功した。芳香族分子は非局在化したπ電子を持つことから、それらが集積することで特異な物性を発現することが知られている。しかしながら、溶液中で芳香族分子の集積度を制御することは難しく、通常、分子は分散した状態をとっている。本研究では、2枚のパネル状有機配位子と3つの直線状二座配位子、さらに6つの遷移金属錯体から、芳香族分子を特異的に内部集積可能なかご型錯体の合成に成功した。錯体内部に様々な芳香族分子を2または3分子集積できるため、その集積パターンに依存した特異な吸収スペクトルを観測することに成功した。
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Research Products
(16 results)