2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14103015
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原田 明 大阪大学, 理学研究科, 教授 (80127282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 浩靖 大阪大学, 理学研究科, 助手 (00314352)
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Keywords | シクロデキストリン / 包接 / 超分子 / 超分子ポリマー / ロタキサン / らせん / ポリロタキ / ホスト-ゲスト |
Research Abstract |
当研究者らはグルコースの環状オリゴマーであるシクロデキストリン(CD)にゲスト分子を結合することにより、ホスト-ゲスト結合型の分子を合成し、これらの分子が形成する超分子構造について検討してきた。その結果、α-CDの1級水酸基にゲストである桂皮酸をアミド結合で結合すると、刺し違い型の環状2量体が得られた。桂皮酸をα-CDの2級水酸基側に結合したところ、ホストとゲストが線状に並んだ超分子ポリマーが得られた。さらにゲスト部分にt-ブチル基を結合したところ、希薄溶液中でもさらに長い超分子が形成され、円2色スペクトルなどで観察したところ、この超分子ポリマーは左巻きの螺旋を形成していることがわかった。この超分子ポリマーのゲスト分子の末端にかさ高い置換基であるトリニトロベンゼン(TNT)を結合したところ、ポリ[2]ロタキサンを得ることができた。この分子は共有結合だけからできているのではなく、分子が機械的に閉じ込められた構造を繰り返し有する珍しい分子である。さらにβ-CDの1級水酸基に桂皮酸を結合したところ、水に難溶の超分子構造体が得られた。この構造体はX線構造解析により、ホスト-ゲストが刺し違えた環状2量体であることが明らかとなった。この環状2量体の懸濁液中にアダマンタンカルボン酸(AdC)を加えたところ,AdCがβ-CDの空洞内に強く取り込まれ、桂皮酸部分が水中に押し出されることを見いだした。この知見をもとに桂皮酸修飾β-CDの水溶液中にα-CDにAdCを結合させた分子を1:1のモル比で加えたところ、α-CDとβ-CDが交互に配列した超分子ポリマーを得ることができた。さらに桂皮酸修飾β-CDの水溶液中にα-CDを加えるとα-CDは桂皮酸を取り込むことがわかった。さらに桂皮酸にかさ高い置換基(TNT)を結合させるとホストとゲストが両端に結合した[2]ロタキサンが得られた。このロタキサンが水中で超分子ポリマーを形成することを見いだした。
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Research Products
(7 results)