2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14104013
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 知信 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20199334)
桜井 敏晴 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20101933)
住本 秀敏 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00306838)
松崎 ゆり子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40255435)
塚本 真 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50365441)
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Keywords | 腫瘍抗原 / 免疫療法 / 大腸癌 / 膵癌 / DNAチップ / 樹状細胞 / 免疫回避 / 癌幹細胞 |
Research Abstract |
消化器癌の同定では、13例の大腸癌の癌部・非癌部のGeneChipを用いた網羅的遺伝子解析により、新たに4個の大腸癌高発現分子(KU-CR-1, -2, -3, -4)を同定した。CR-1は抗がん剤取り込みに関与する膜型トランスポーターであり抗がん剤感受性診断に、CR-2はケラチンファミリーに属し、予備的解析では高発現癌が予後不良の傾向があり、予後診断に利用できる可能性がある。CR-3はN末端蛋白が分泌され、NK細胞などを抑制することが示され、癌細胞の免疫回避に関与する可能性がある。同一患者の原発大腸癌組織と転移リンパ節組織を移植したSCIDマウスの血清を用いてSEREX法を行い、SOX5, 6, 13を単離した。単離抗原の解析により腫瘍部位では腫瘍抗原反応性B細胞が浸潤している可能性が示唆された。癌幹細胞における腫瘍抗原の発現を検討するために、各種消化器癌細胞株からSP分画を分離し、膵癌から癌幹細胞様性質をもつ細胞分画の分離に成功し、癌幹細胞では癌精巣抗原の発現に違いがあることを明らかにした。MSI陽性大腸癌においては、悪性黒色腫で見つかった共通BRAF変異が高率に検出されることが報告されているが、そのような大腸癌細胞株において、MAPK抑制により免疫抑制分子の産生が抑制され、大腸癌でもMAPK亢進による免疫回避があり得ることを明らかにした。同定腫瘍抗原の臨床応用に向けて、診断法開発のために、293例の様々なステージの大腸癌患者血清を収集しデータベースを作成し、同定腫瘍抗原や特異抗体などの腫瘍マーカーとしての意義の検討を開始した。治療法開発では、マウス大腸癌モデルにおいて、樹状細胞腫瘍内投与の抗腫瘍効果を増強する方法を開発し、現在、がんTRプログラムで実施している臨床試験プロトコールを将来的に改良できることを明らかにした。
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Research Products
(8 results)