2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14104021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 春雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60114485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武川 睦寛 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30322332)
舘林 和夫 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50272498)
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Keywords | 細胞内シグナル伝達 / ストレス応答 / MAPキナーゼ / ヒト培養細胞 / 酵母 / 分子生物学 / 細胞生物学 |
Research Abstract |
1.酵母ストレス応答MAPキナーゼ情報伝達経路の機能と制御機構の解明 Sln1浸透圧センサーの下流にあるYpd1タンパク質、Ssk1レスポンスレギュレータ、およびSsk2/Ssk22 MAPKKKの間の機能的相互作用を解析した結果、Ssk1の変異株でYpd1との結合が出来なくなったもの、あるいはYpd1との結合は正常だがYpd1によるリン酸化を受けなくなったもの、などは、構成的にSsk2/Ssk22を活性化することが分かった。この結果は、以前我々がSsk1欠失変異株などの表現型から推測した分子機構を直接裏付けるものである。今後、これらの変異体の生化学的解析を行うことにより、Ssk1によるSsk2/Ssk22活性化のより詳細な機構に迫る計画である。また、Ssk2のN末制御領域は1200アミノ酸を超えるが、その機能には不明な点が多いので、系統的な欠失変異株などを作成してその機能解析を行っている。Ssk2/Ssk22にはMTK1などヒトのストレスMAPKKKとの類似点が多いので、Ssk1によるSsk2/Ssk22k活性化機構の詳細に関する知識は、ヒトのストレス応答経路の研究にも利するところが大きいものと期待できる。 2.ヒトストレス応答MAPキナーゼ情報伝達経路の機能と制御機構の解明 昨年度は、ヒトストレス応答MAPキナーゼ経路のMAPKKであるMKK3やMKK6のC末端にストレスMAPKKK MTK1と特異的に結合する部位があることを報告した。MKK3/6内のMTK1ドッキングサイトを欠失した変異株や点変異株では、MTK1との結合が全くみられず、同時にMTK1による活性化も起きない。また、他のMAPKK、すなわちMKK4、MKK7、MEK1にも同様なMAPKKK特異的ドッキングサイトを見いだした。本年度は、これらのMAPKKとさまざまなMAPKKKとの間の相互作用を詳細に解析し、MAPKKK-MAPKKドッキング相互作用がストレス応答のみならず増殖因子などへの応答にもきわめて重要であることが分かった。
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