2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14104023
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
中野 明彦 理化学研究所, 生体膜研究室, 主任研究員 (90142140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅林 恭平 理化学研究所, 生体膜研究室, 協力研究員 (60321733)
佐藤 健 理化学研究所, 生体膜研究室, 研究員 (00303602)
佐藤 健 理化学研究所, 生体膜研究室, 研究員 (30311343)
佐藤 美由紀 理化学研究所, 生体膜研究室, 協力研究員 (70321768)
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Keywords | タンパク質の分泌 / メンブレントラフィック / Emp46 / 47p / Rer1p / 小胞リサイクリング / 膜貫通領域 / ステロール / ユビキチン |
Research Abstract |
出芽酵母を材料に用い,膜タンパク質の選別機構に関して以下のような研究を行った。 1.小胞体-ゴルジ体間の小胞輸送における積み荷レセプターの候補として,レクチン様膜タンパク質Emp46/47pに注目した。C末端領域にCOPI, COPII結合モチーフがあり,これらに依存して小胞体-ゴルジ体間をリサイクルしていること,順行輸送が機能に重要であることを明らかにした。また,Emp46/47pの欠損株では一群の糖タンパク質の分泌損傷がみられ,これらが糖タンパク質レセプターとして機能している可能性を示唆した。 2.ゴルジ体膜タンパク質Rer1pは,ゴルジ体に誤って輸送されてきた一群の小胞体膜タンパク質の膜貫通領域(TMD)を認職し,COPI小胞を介して小胞体へと送り返す分子選別装置である。荷としてSec71pに注目し,そのTMDが小胞体膜へのターゲティングおよび局在化に必要十分であり,Rer1pに直接認職されることを明らかにした。また,この認識にはTMDにおける極性残基の空間的な位置が重要であることを示した。一方,Rer1pの4つのTMDにおける極性残基についても網羅的に変異解析を行った結果,ある特定のチロシン残がSec12pの小胞体局在化には必須であるが,Sec71pの局在化には関与しないことを明らかにした。 3.エルゴステロール合成に欠損を示す酵母erg6変異株では,トリプトファン輸送体Tat2pの誤輸送が2つのオルガネラで起こっていた。Tat2pはゴルジ体から細胞膜ではなくてエンドソームへ運ばれ,さらにそこで内腔側へ取り込まれて限界膜から消失した。これら2つの誤輸送は,ユビキチンリガーゼの機能の低下によって矯正された。この結果から,ユビキチンによる翻訳後修飾がTat2pの輸送シグナルとして機能しており,その選別にステロール脂質が密接に関与していることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sato, K.: "Emp47p and its close homologue Emp46p have a tyrosine-containing ER exit signal and function in glycoprotein secretion in Saccharomyces cerevisiae"Mol. Biol. Cell. 13. 2518-2532 (2002)
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[Publications] Sato, M.: "Evidence for the intimate relationship between vesicle budding from the ER and the unfolded protein response"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 296. 560-567 (2002)
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[Publications] Nakano, A.: "Spinning-disk confocal microscopy-a cutting-edge tool for imaging of membrane traffic"Cell Struct. Funct.. 27. 349-355 (2002)