2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14201003
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Research Institution | The Eastern Institute |
Principal Investigator |
前田 専学 財団法人東方研究会, 研究員 (40011366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸井 浩 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30229603)
田中 公明 財団法人東方研究会, 研究員 (00171744)
田辺 和子 財団法人東方研究会, 研究員 (20217102)
保坂 俊司 麗沢大学, 国際経済学部, 教授 (80245274)
山下 博司 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (20230427)
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Keywords | 中世インド / 六派哲学再考 / 自在神の存在証明 / ヒンドゥー・イスラーム融合思想 / インド中世とガンディー思想 / スリランカ仏教とインド中世 / バクティ思想 / 仏教論理学 |
Research Abstract |
プロジェクト開始初年である本年度は、本研究遂行のために不可欠な方法論の構築と基礎情報・資料の収集に重点を置いた研究活動を行った。まず三回の研究会の開催、具体的には第一回「インドの時代区分における中世とは」(前田専学)においてインド中世の年代設定が試みられた。また第二回「六派哲学について」(丸井浩)は、中世インド思想研究に関して従来の学派理解の再検討の必要性が論じられた。また、「ガンディーにおける中世思想の展開」(林明:弘前大学助教授)は、中世研究がインドの近現代研究に不可欠であると言うことをガンディー思想の立場から明らかにした。第三回では「中世ということ」(奈良修一:東方研究会研究員)において、バングラデーシュで開催された「中世インド史の国際会議」における中世インド研究史の現状報告を含めて、イスラム研究の重要性が指摘された。また「『Nyayakusumanjali』について」(細野邦子:東方研究会研究員)は、ニヤーヤ学派の代表的中世文献である同書の自在神の証明に焦点をあて報告した。一方本プロジェクトは、認可を受けた昨年10月以来、インドをはじめ8ヶ国に11人の研究分担者・研究協力者を派遣し、現地調査を含めて積極的な資料収集を行った。その一例をあげるならば、前田専学は、インド・デリー及びヴァーラーナシーにおいて中世研究の現状調査を行い、山下博司は、南インドのイエズス会関係資料の収集を行った。また、金漢益は、スリランカ仏教研究の基礎資料の収集を行い、小野基は、仏教論理学研究充実のためのウイーン大学における共同研究に参加した。また、設備面では『ビブリオテイカ・インディカ』をはじめ貴重な文献を購入し、またそれらのテキスト化及び図像資料解析のためのコンピューター及びその関連機器の購入など研究環境の整備も積極的に行った。
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