Research Abstract |
本研究は,全年齢階層における健康・不健康状態の形成,および,高齢者における要介護・要支援状態の形成において,年齢や性別などのデモグラフィックな要因のみならず社会経済的要因(職業・所得・学歴等々)がどのような影響を及ぼしているかを明らかにすることを目的としている。 今年度は前年度に引き続き,山崎助教授を中心に,平成12年度に科学研究費で実施した全国調査のデータ分析を継続し,これまで不十分だった既存研究のサーベイを組織的に行うとともに,ジャーナルへの投稿の準備を進めた。また,さらに平成12年度の調査での不足を補うため,平成15年度は,サンプル数を3000にまで増やし,また,収録変数を拡大し精緻化した全国調査を企画した。前回調査の分析を行うかたわら,その反省をもとに約半年かけて調査票を検討した結果,新調査では,(1)SRH,(2)SF36,(3)食事満足,(4)健康習慣,(5)慢性疾患数,(6)18歳以前健康状況,(7)職業,(8)資産,(9)階層帰属,(10)住宅,(11)家族関係,(12)ソーシャルキャピタル,(13)家族状況,(14)学歴,(15)所得などについての質問項目を含めることとした。新調査では対象年齢を20歳〜69歳とし,全国を11の地域,人口規模別に層化して標本抽出し,平成16年2月に実査を実施した。平成16年3月には,この調査の粗データを入手した。 新年度は,このデータのクリーニングを行ったうえで,分析可能な形に加工して,研究協力者を拡大しながら分析していく.また,新たに要介護・要支援の状態に関する調査を実施する。
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