2003 Fiscal Year Annual Research Report
日本出土原始古代繊維製品の分析調査による発展的研究
Project/Area Number |
14201045
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
松浦 宥一郎 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 文化財部, 上席研究員 (00165763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢田 むつ代 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 文化財部保存修復課, 環境保存室長 (40215918)
永島 正春 国立歴史民俗博物館, 情報研究部, 助教授 (50164421)
田辺 征夫 奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, センター長 (50000493)
古谷 毅 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 文化財部保存修復課, 保存修復室員 (40238697)
望月 幹夫 独立行政法人国立博物館東京国立博物館, 文化財部, 上席研究員 (60141991)
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Keywords | 繊維製品 / 絹織物 / 編布 / 織布 / 綾 / 錦 / 羅 / 中性子ラジオグラフィ |
Research Abstract |
今年度も、昨年度に引き続き研究分担者を通じて独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所の所蔵する膨大な発掘調査報告書によって日本原始古代遺跡出土の繊維製品関係の資料集成を行った。調査、検索事項については従来どおりで、資料カードに記述して資料台帳の作成を行い、データーベース化を行った。 本年度の現地調査にあたっては各自の分担地域、時代のみならず次のように重点的な調査地域を設定し、日本列島全体の状況を把握することとした。 (1)昨年度に引き続き九州地域に重点をおき、九州各県の弥生時代、古墳時代遺跡出土の繊維製品関係資料の実地調査によって中国・朝鮮半島との関連を追究するため、福岡県、大分県、熊本県の各機関が所蔵している資料の調査を行った。 (2)韓国内の現地調査も継続させ、今年度は新羅の中心地域である慶州市天馬塚古墳出土の繊維製品そのものの調査を行い、前回の百済地域の調査と比較できる貴重な調査資料を得ることができた。 (3)昨年まで日本の北方地域である北海道における縄文時代・続縄文時代・オホーク文化時代・擦文文化時代の繊維製品関係資料の調査によって大陸北方との関連を追究してきたが、本年度は日本の南端地域である沖縄における遺跡出土繊維製品関係資料の調査を行い、日本列島の南北地域の状況を把握することに努めた。 (4)毎年度継続的に実施してきた資料を集中的に収蔵している宮崎県埋蔵文化財センターにおける資料調査を今年度も実施した。 (5)(1)(2)に関連して、日本の資料と関係の深い韓国方形周溝墓、および前方後円形墳の研究者2名を招聘し、研究発表と情報交換を行った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 沢田 むつ代: "法隆寺の染織品"繊維学会誌 繊維と工業. Vol.59 No.11. 389-393 (2003)
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[Publications] 沢田 むつ代: "法隆寺献納宝物 蜀江錦褥残欠と褥裏裂-平成一三・一四年度の修理を終えて"MUSEUM(東京国立博物館). 588号. 17-26 (2004)
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[Publications] 沢田 むつ代: "東京国立博物館 講演会"古代の染織シリーズ(7回シリーズ)のテキスト. Vol.4〜7. (2003)
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[Publications] 沢田 むつ代: "藤崎遺跡出土の素環頭大刀に付着する織物"発掘調査報告『藤崎遺跡』. (2004)