2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14204002
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
二木 昭人 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90143247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 茂之 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70011674)
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80116102)
中島 啓 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00201666)
翁 林 九州大学, 大学院・数理科学研究院, 助教授 (60304002)
辻 元 上智大学, 理工学部, 教授 (30172000)
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Keywords | スカラー曲率 / K安定性 / 幾何学的不変式論 / モーメント写像 |
Research Abstract |
偏極代数多様体にスカラー曲率一定ケーラー計量が存在するための必要十分条件はK安定性と呼ばれる幾何学的不変式論と関連する性質をみたすことであろうと予想されている.この安定性が幾何学的不変式論とどう関係するか調べることが今年度の研究目標あった.まず,代数幾何学で古典的に知られているチャウ安定性,ヒルベルトスキーム安定性との関係はマンフォードにより得られた数値的判定法を用いて比較することができる.すなわち,これらの安定性を量る数値的不変量と,K安定性を量る数値的不変量との関係を記述することができる.その結果わかることはK安定性はこれらの漸近的安定性と無関係ではないが,単純に強弱関係をいうことはできないということである.一方,安定性はシンプレクティック多様体上のモーメント写像を用いた記述がある.すなわち,モーメント写像の零点を含む軌道が安定軌道であるというものである.与えられたシンプレクティック形式をケーラー形式にするような複素構造全体は自然に無限次元シンプレクティック多様体になり,スカラー曲率がその上のモーメント写像を与える.このことから,定スカラー曲率計量を持つ偏極代数多様体はその意味で安定であることがわかる.また,定スカラー曲率計量を持てばある積分不変量が0になるという筆者の結果,そして定スカラー曲率ケーラー多様体の正則自己同型群は簡約可能であるという松島与三・リシネロウィッツの定理がこの無限次元モーメント写像の枠組みでどう位置づけられるかが理解できた.さて,安定性が必要条件であることは海外共同研究者のChenとTianの結果を用いて証明できることがわかった.次にやるべきことは十分条件であることが正しいかを研究することである.リッチ流を用いるのは有力な方法である.
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Research Products
(6 results)