2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14204002
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
二木 昭人 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90143247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 光弘 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (40015912)
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80116102)
中島 啓 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (00201666)
翁 林 九州大学, 大学院・数理科学研究院, 助教授 (60304002)
辻 元 上智大学, 理工学部, 教授 (30172000)
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Keywords | スカラー曲率 / K安定性 / 幾何学的不変式論 / モーメント写像 |
Research Abstract |
偏極代数多様体にスカラー曲率一定ケーラー計量が存在するための必要十分条件を幾何学的不変式論の意味の安定性によって与えることが本研究課題の目的である.この一つの表現として安定性のシンプレクティック多様体上のモーメント写像を用いた記述がある.すなわち,モーメント写像の零点を含む軌道が安定軌道であるというものである.与えられたシンプレクティック形式をケーラー形式にするような複素構造全体は自然に無限次元シンプレクティック多様体になり,スカラー曲率がその上のモーメント写像を与える.このことから,定スカラー曲率計量を持つ偏極代数多様体はその意味で安定であることがわかる.したがって与えられたシンプレクティック形式をケーラー形式にするような複素構造全体の空間を研究することが重要となる.今年度の成果としては,複素構造全体の空間のシンプレツティック構造とスカラー曲率をどちらも摂動して,摂動スカラー曲率が摂動シンプレクティック構造に関しモーメント写像になることを示した.さらに摂動スカラー曲率に対しカラビの問題と類似な問題を研究した.摂動extremal計量は従来のカラビの問題と同じ方法では意味をもたず,モーメント写像のノルムの変分問題の臨界点としてのみ意味をもつことが示される.松島・リシネロウィッツの定理にあたるものも成立しない.板東・二木不変量は意味をもち,これの積分形にあたる摂動満渕汎関数も定義される.摂動スカラー曲率が一定なケーラー計量を持つなら摂動満渕汎関数が下から有界であることを示すことは重要な問題であり,これが実質的にK安定性である.このほか,分担者の満渕俊樹は漸近的チャウ安定性と漸近的ヒルベルトスキーム安定性の同値性を証明した.
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Research Products
(5 results)