2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14204007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡本 久 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40143359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木谷 耕司 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (70211787)
上田 肇一 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (00378960)
長山 雅晴 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (20314289)
木村 芳文 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70169944)
坂上 貴之 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10303603)
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Keywords | ナビエ・ストークス方程式 / オイラー方程式 / 力学系 / 特異点 / 渦層 / 粒子の軌跡 / 反応拡散系 / パルス解 |
Research Abstract |
岡本,中村健一,柳下浩紀,はNavier-Stokes方程式のある種の自己相似解が有限時間で爆発することを証明した.何らかの意味で解の初期値に対する一意性があり、しかも有限次元で爆発する解は数値実験においていろいろと示唆されてきたが、証明ができた例はこれが初めてのものである。岡本は、さらに、水面波におけるCrapperの波に関する一意性定理を証明した.これまで、Crapperが発見した厳密解がしられていたが、それ以外に解があるのかないのか、不明であった。しかし、本研究によって、ある種の制限付きでCrapperの解以外に解は存在しないことが証明できた。その一部は九州大学で学振PDとして活躍している小林健太氏との共同研究である。 また,Navier-Stokes方程式に関するいくつかの厳密解の一意性定理の証明にも成功した.Couette流やPoisulle流といった厳密解が19世紀の昔から知られていたけれども、その一意性については不明なことが多かった。 岡本久は韓国中央大学のKim Sun-Chulとの共同研究で、2次元の場合と軸対称の場合に解の一意性を示した。すなわち、上にあげたような古典的解以外に非線形項をゼロにする解は存在しないことが証明できた。 大木谷耕司は、ナビエ・ストークス方程式の擬スペクトル法による直接数値計算をインパルス定式化によって実行し、その結果を解析した.その結果、オイラー方程式はナビエストークス方程式の単純な極限ではないことが示唆された。 三次元渦層に関して,坂上はある回転軸を中心とする回転流の不連続面により生成される円筒渦層を取り上げ,二次元の特異性が出現しないよう系に軸対称性を課した時に生成する特異性について,Richardson補外による特異積分の高精度計算とフーリエ級数近似による精密な数値的手法を使ってその特徴を明らかにした.その結果,渦層の幾何学的な特徴としては二次元の場合と同様の曲率特異性が発生するが,その物理的特徴として渦層の強さではなくて,渦糸の微分が爆発していることが明らかになった.これはこれまでに指摘されなかった新しい特異性である. 上田は、パルス同士が速い速度で対衝突し、パルスの形が大変形するような散乱現象において、散乱後のパターンが変化するとき解軌道は分水嶺解と呼ばれる不安定定常解に近づくことを数値的に示した。数値実験によって衝突後のパターンが変化するパラメータ付近において数値実験を行なうことにより衝突後の解軌道はある不安定次元1の分水嶺解の近くを通ることを示した。
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Research Products
(7 results)