2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14204010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷口 説男 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (70155208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深井 康成 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助手 (00311837)
安田 公美 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助手 (40284484)
杉田 洋 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (50192125)
松本 裕行 名古屋大学, 大学院・人間情報研究科, 教授 (00190538)
濱名 裕治 東京工業大学, 理学部, 助教授 (00243923)
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Keywords | 確率解析 / 確率微分方程式 / 経路空間 / 確率振動積分 / シュレディンガー作用素 / ブラウン運動 / 跡公式 / 熱核 |
Research Abstract |
1.確率解析における非常に重要な等式の一つとして伊藤の公式を経由して得られる2階線形偏微分作用素に付随する熱方程式の基本解の拡散過程による表示がある.この表示は経路空間上の解析による偏微分方程式の研究の可能性を示唆するものである.本年度の研究において経路空間上の連鎖定理を与える伊藤の公式と変数変換公式であるカメロン・マルチン変換を利用することにより,浅水波を記述する方程式である非線形方程式(KdV方程式)のn-ソリトン解のウィナー積分による表示を得た.さらにKdV階層で基本的な役割を果たすタウ関数についてもウィナー積分による表示を確立した.KdV方程式は非線形方程式であるため当然重ね合わせの原理は適用できないが,本研究で得たウィナー積分による表示には自然な形での1-ソリトン解に対応する確率過程の線形結合がn-ソリトン解の表示に現れており,重ね合わせの原理がウィナー空間のおいて実現されることを示している. 2.2次相関数を持つ確率振動積分の指数減衰が付随するレヴィ測度により決定されることを解明し,その応用として2次ウィナー汎関数が定めるウィナー空間内の超曲面が無限遠点において漸近的に平坦となることを,ウィナー空間の再生核方向のフーリエ変換の減衰の様子を調べることにより解明した.これは直感的には明らかに思えるウィナー空間内の楕円型超平面が無限遠で平滑になるという事実に対する量的な解答となっている. 3.9月上旬にウォーウィック大学エルウォーシー教授,HITストルック教授,フランス学士院会員マリアヴァン氏を招聘し,リーマン多様体上のラプラシアンに付随する熱核のカットローカス付近での挙動について研究討論を行った.大偏差原理に基づく漸近挙動の研究は現在継続中である.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Matsumoto, S.Taniguchi: "Wiener functionals of second order and their Levy measuars"Electric Journal of Probability. 7・14. 1-30 (2002)
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[Publications] S.Taniguchi: "Exponential decay of stochastic oscillatory integrals on classical Wiener spaces"Jour. Math. Soc. Japan. 55・1. 59-79 (2003)
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[Publications] H.Matsumoto, M.Yor: "Interpretation via Brownian motion of some independence properties between GIG and gamma variable"Stat. Prob. Lett.. 61・3. 253-259 (2003)
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[Publications] S.Albeverio, W.Karwowski, K.Yasuda: "Trace formula for p-adics"Acta Appl. Math.. 71・1. 31-48 (2002)
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[Publications] H.Kesten, Y.Hamana: "Large deviations for the range of an integer valued random walk"Ann. Inst. H. Poincare Probab. Statist.. 38・1. 17-58 (2002)
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[Publications] R.Bass, T.Kumagai: "Laws of the iterated logarithm for the range of random walks in two and three dimension"Ann. Probab. 30・3. 1369-1396 (2002)