2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14204011
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
儀我 美一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70144110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 亮 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (60153657)
古川 義純 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (20113623)
利根川 吉廣 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80296748)
津田谷 公利 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60250411)
中路 貴彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30002174)
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Keywords | 国際研究者交流 / 多国籍 / ベルグ効果 / ラプラス方程式 / 均質化理論 / 等高面法 / 粘性解 |
Research Abstract |
拡散効果に異方性のある問題、特に平滑化効果が特に強く、その量が局所的な量(微分等)からだけでは決まらない偏微分方程式を中心に特に結晶成長分野を中心に研究し、数学解析上の様々な成果を得た。 結晶成長の分野では、円柱状の結晶がその成長していく過程でどのようにその形がくずれていくかを知る事は複雑な形態がどのようなメカニズムで生じるか知る上で重要である。まず、円柱状の結晶に対して、外部から分子が供給されている状況を考えてみよう。結晶の外では分子濃度は拡散場で支配され結晶は円柱型で一定速度で成長していると仮定しよう。この時、円柱の上部の面の中心部の方がふちより分子濃度が低いことは物理分野ではベルグ効果としてよく知られている。数学的には円柱の外でラプラス方程式を仮定し、境界面でのノイマンデータを定数とし、結晶面からはなれるに従って濃度が高くなるように符号がとれているとき、濃度が円柱の上部面の中心ではふちより濃度が低い事を示す事に対応する。この問題は2次元で結晶が正多角形の場合は関数論により示されるが、円柱の場合は未解決であった。これは円柱は滑らかな図形でないため、決して自明ではない。それにも関わらずベルグ効果が証明できたことの価値は大きい。結晶が小さいうちは平らな面が壊れずに成長していく事の根拠の一つになる。 そのほか、間隔の小さい平行版の中での曲率流方程式にある結晶表面の動きを等高面法を用いて研究した。この薄膜近似の問題は均質化理論の特別な問題と考えられる。異方性を持つ曲率流方程式について、このような薄膜近似をおこなったのは本研究が最初で、極限の異方性も正確に導いていた。 また粘性バーガース方程式を空間無限大で1次増大初期値に対して局所解を構成した。これは将来、空間無限大で流体力学の方程式を増大する速度場から解く上の基礎になる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Arisawa: "Anisotropic curvature flow in a thin domain"Indiana Univ.Math.J.. 52. 257-281 (2003)
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[Publications] Y.-H.R.Tsai: "A level set approach for computing discontinuous solutions of class of Hamilton-Jacobi equations"Math.Comp.. 72. 159-181 (2003)
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[Publications] C.M.Elliott: "Dynamic boundary conditions for Hamilton-Jacobi equations"SIAM J.Math.Anal.. 34. 861-881 (2003)
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[Publications] Y.Giga: "Berg's effect"Adv.Math.Sci.Appl.. 13. 625-637 (2003)
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[Publications] Y.Giga: "On regularizing-decay rate estimates for solutions to the Navier-Stokes initial value problem"Nonlinear Analysis and Applications, To V.Lakshmikantham on his 80th Birthday. 1. 549-562 (2003)
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[Publications] Y.Giga: "On viscous Burgers-like equations with linearly growing initial data"Boletim da Sociedade Paranaense de Matematica. 2002-20. 29-49 (2003)