2002 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙観測アレイセンサー用高機能極低温電子回路の製作
Project/Area Number |
14204015
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
芝井 広 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70154234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平尾 孝憲 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00293689)
佐藤 紳司 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60192598)
川田 光伸 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 講師 (50280558)
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Keywords | 赤外線 / 半導体 / 半導体センサー / 極低温電子回路 / 遠赤外線 / 衛星搭載望遠鏡 / 赤外線望遠鏡 / 赤外線センサー |
Research Abstract |
赤外線やX線などの高感度の天文観測衛星では、そのセンサー部分の雑音を抑え感度やエネルギー分解能を飛躍的に向上させるために、センサー全体の極低温冷却(絶対温度2度、摂氏-271度)が常用されるようになってきた。MOSFETを用いていわゆる「汎用オペアンプ」を構成し、これを用いた高機能の極低温プリアンプ、マルチプレクサ、及び信号処理ICを開発するのが本研究の主目的である。 本年度は当初の一次目標である遠赤外線センサー用のプリアンプとして要求される仕様を確定することができた。気球観測ではバックグラウンドが大きいために、衛星用と比べて大きい積分コンデンサ容量、高速の読み出しが必要となる。しかしながら実際に作りこめる容量には限界がある(100pF程度)。 さらにこの設計を元に極低温回路ICを製造し、極低温での性能を評価した。その結果、これまでのものより更に安定した性能が得られていることを確認した。 次にこのICを用いて2種類の遠赤外アレイセンサー(直接バンプ型、圧縮型)を組み上げた。両者とも98%以上のピクセルが正常に動作しており、この主のものとしては極めて高い収率であるといえる。 これと並行して新しい方式のアレイセンサーを試作し、極低温での機械的性能を評価した。まだ結果が確定していないが、これが成功であるとすると、ずっと大規模な遠赤外線アレイが製作可能となる。 最後にこれらのセンサーを予備的に性能評価するために、気球搭載望遠鏡に組み込み、実際の観測に用いた。センサーの性能評価、観測結果については鋭意解析中である。
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[Publications] T.Hirao, H.Shibai, et al.: "Cryogenic readout electronics with Si pMOSFETs for the ASTRO-F(IRIS)"Advances in Space Research. 30(9). 2117-2122 (2002)
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[Publications] H.Nagata, H.Shibai, T.T.Takeuchi, T.Onaka: "A New Empirical Method of Estimation of the Far-Infrared Flux of Galaxies"Pub. Astron. Soc. Jp.. 54. 695-705 (2002)
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[Publications] H.Shibai: "ASTRO-F (Infrared Imaging Surveyor) Project"Advances in Space Research. 30(9). 2089-2097 (2002)
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[Publications] M.Mizutani, H.Shibai, et al.: "Detection of highly-ionized diffuse gas in the Galactic plane"Astron. & Astrophys.. 382. 610-623 (2002)
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[Publications] Y.Doi, H.Shibai et al.: "Ge : Ga Stressed Array for ASTRO-F"Advances in Space Research. 30(9). 2099-2104 (2002)
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[Publications] H.Shibai, S.Arimura, et al.: "FIRBE : Far-Infrared Balloon-Borne Experiment"Advances in Space Research. 30(5). 1289-1295 (2002)