2002 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバーによる多天体・面分光型スペクトログラフの開発と銀河形成史の研究
Project/Area Number |
14204016
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
舞原 俊憲 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90025445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩室 史英 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80281088)
菅井 肇 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50291422)
太田 耕司 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50221825)
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Keywords | 分光器 / 多天体分光 / 天体観測装置 / 赤外線 / 光ファイバー / 系外銀河 / 高赤方偏移 / 赤外線アレイ検出器 |
Research Abstract |
本年度は基本的な光学設計を進めることにより、ファイバーを使う本格的なOH夜光除去赤外線分光器の実現性(フィージビリティ)を確立することができた。波長0.9から、1.8ミクロンまでの高感度スペクトルを得ることのできる光学設計は、ZMAXと呼ばれている光学シミュレーションソフトを導入して行い、これにより、本研究計画でねらっている遠方の微弱赤外線天体の多天体、および面分光タイプの分光観測装置の製作の見通しを得た。 実際の光学ソフト計算は、研究代表者および分担者らの指導のもとで研究協力者である大学院学生による研究支援のもとで実施し、望遠鏡の焦点部の天体像から、ファイバーバンドル光路を通過して分光器スリットに導入させるまでと、分光器スリット以後に置かれるOH夜光成分除去部分の光学設計を行って、実際の望遠鏡に取り付けて得られる性能の評価が得られた。 年度の後半では、本分光器システムの検出器システムについても、新しい赤外線アレイの読み出し回路の設計を進めた。検出器とデータ取得回路との通信制御とデータアーカイブのための計算機システムヘのあたらしいデータ伝送方法の設計も順次すすめて、回路製作を開始した。それらの予備的な動作試験を行った結果、本研究の遂行に必要な回路設計全般について優れた性能を発揮しうるものであることを確認した。 一方、本研究計画の目的の一環である「すばる望遠鏡を用いたファイバーの多天体モード」の観測装置の整備も進めており、3月期の試験観測ではファイバー配置システムの動作試験を行なって、次年度以降の観測敵成果の見通しが得られた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kashikawa, N., Takata, T., Ohyama, Y., Maihara, T ほか: "Subaru Deep Survey. III. Evolution of Rest-Frame Luminosity Functions Based on the Photometric Redshifts for a K'-Band-Selected Galaxy Sample"Astronomical Journal. 125. 53-65 (2003)
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[Publications] Ramsay, G., Wu, K., Schmidt, G., Sekiguchi, F., Iwamuro, F ほか: "Optical/infrared spectroscopy and photometry of the short-period binary RX J19141+24"Monthly Notices of Royal Astron.Soc.. 333. 575-582 (2002)
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[Publications] Iwamuro F, Motohara K, Maihara, T, Yoshii, Y., Doi, M: "FeII/MgII Emission Line Ratios of QSOs within O<z<5.3"Astrophysical Journal. 565. 63-77 (2002)
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[Publications] 舞原 俊憲: "21世紀の宇宙観測(第2章 すばる望遠鏡観測装置とサイエンス)"誠文堂. 16 (2002)