2005 Fiscal Year Annual Research Report
超強力永久磁石によるリニアコライダー用最終集束レンズ
Project/Area Number |
14204023
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岩下 芳久 京都大学, 化学研究所, 助教授 (00144387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊田 雅之 放射線医学総合研究所, 加速器物理工学研究部, 主任研究員 (50044748)
黒川 眞一 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (90044776)
横谷 馨 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (40141973)
笹尾 登 京都大学, 理学研究科, 教授 (10115850)
増田 開 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (80303907)
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Keywords | リニアーコライダー / 最終集束レンズ / 磁気飽和鉄 / 超強力永久磁石 / 改良型Halbach配列 / 四極磁石 / 多極磁石 |
Research Abstract |
ビームオプティクスからの要請として強度を可変させる必要があるが、これは全体を複数の小さな四極磁石に分けておき、お互いを90度ステップで回すことにより、全体のレンズとしての強度を可変することで実現できる。単純に輪切りにする構造だと各回転磁石の機械的誤差が直接磁場中心などの変位に反映されるため、さらに内輪と外輪に分け、内輪を固定し、外輪のみを回転する。これたより、影響の大きい部分が固定されるため、機械的誤差の影響を減らすことができる。この原理を用い、温度補償回路を組み込んだ強度可変型の超強力永久磁石四極レンズを製作した。性能評価はSLACに持ち込み行い、強度を変化させたときの軸ずれや、極性の微少回転のデータが得られた。軸ずれに関しては外輪へのシムでの位置調整により、減少できることが実証できた。さらに、再現性に関しては悪くても数μm以下、良いところではサブμm以下という極めて良いデータが得られた。角度方向の誤差に対しても各外輪に二つずつ付いている計8個の回転ストッパーを調整することによりある程度押さえ込めることがわかった。今年度は、磁石の内径を小さくすることにより、更に強力な磁場勾配を発生させ、永久磁石の減磁や、強度を変える場合の磁場中心の移動などへの影響を調べる準備を行った。これらは現在、測定、調整中である。 また、測定に関してこれまで測定揚所などの確保の問題からSLACとの共同で測定を行っていたが、磁石の改良などのために輸出入の手続きやタイムロス等が大きくなり、迅速な研究に差し支えるため、今年度は、自前の測定器を用意し、手元で様々な測定を行う準備をおこなった。これまでに、営繕要求が認められ、空調の付いた独自の測定室が用意でき、昨年度はさらに照明の改善や、下界との窓の二重窓化工事が完了し、室温のさらなる恒温化が期待できる。現在、この測定装置の調整を行っている所である。
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