2004 Fiscal Year Annual Research Report
地震の準備過程の解明-南アフリカ金鉱山における地震包囲網の完成-
Project/Area Number |
14204040
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
飯尾 能久 京都大学, 防災研究所, 助教授 (50159547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 宏 立命館大学, 理工学部, 教授 (40213996)
佐藤 隆司 産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 主任研究員
川方 裕則 京都大学, 防災研究所, 助手 (80346056)
中尾 茂 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (90237214)
山内 常生 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (80022713)
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Keywords | 地震準備過程 / 断層 / 南アフリカ / 誘発地震 / 歪計 / ロックバースト / 金鉱山 / 山はね |
Research Abstract |
平成16年度は、Mponeng鉱山の地下約3kmの新しいサイトに設置された,石井式歪計2台のデータの予備的な処理解析を行った.高分解能の石井式歪計が,断層の極近傍に複数台設置されたことにより,地震前の歪変化の検知能力が上がった. 金の採鉱に伴い、2004年の3月から6ヶ月間に、数百μstrain(数十MPa)もの歪の増加が、2台の石井式歪計によって観測された。歪計から数百m以内の採掘発破や地震に伴う、1μstrainを超える歪変化も数多く記録された。M3クラスの地震の想定震源域での地震活動はまだ発生していないが、最も近いものでは震源距離180mにおいてM1.8の地震が発生し20μstrain(0.2Mpa相当)の歪ステップが観察された。ただし、この地震の前には,ノイズレベルを越えるような歪変化は検出されていない.地震後には、予効変動が2台できれいに観測された。また、採鉱のための発破とその後誘発された地震による歪変化も観測された。発破に誘発された地震の前には、ゆっくりした地殻変動が観測されている。これは人為的なものである可能性が高いが、今後詳しく検討する必要がある。 歪計1点による観測が行われていたBambanani鉱山で得られたデータを詳しく解析した。約2年間に発生した449個の地震において、10^<-9>〜10^<-4>の歪ステップが観測された。歪ステップの大きさと震源距離の間に良い相関関係が見られることから、地下約3kmの地点でも歪計が正常に動作していることを確認した。しかし、500個近くのデータにも関わらず、ノイズレベルを超える準静的な歪変化は見いだせなかった。
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Research Products
(5 results)