2002 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線エネルギー分散型表面XAFS法の確立とその表面化学への応用
Project/Area Number |
14204069
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 俊明 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80011675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨宮 健太 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80313196)
近藤 寛 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80302800)
横山 利彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20200917)
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Keywords | エネルギー分散型XAFS / 時間分解 / 分子吸着 / 表面反応 / 表面磁性 / XPD / XMCD |
Research Abstract |
本課題は我々のグループが最近開発に成功した軟X線領域のエネルギー分散型表面XAFS法を確立し表面化学の研究への応用を図ると共に、エネルギー分散法を軟X線領域の関連する手法へ展開して表面現象の理解を深めることを目的としている。今年度は本課題の初年度であり、分散型表面XAFS法の高度化と関連手法への展開のために測定環境の整備を重点的に進めながら、表面化学への応用研究を行った。 手法の高度化の最重点課題である高速化については、電子分析器の取り込み立体角を広げ、検出に用いるCCDカメラからの画像取り込みを改良することによって、約1桁の高速化を達成することができた。高速化された本手法を用いて、Pt(111)面上のCO酸化反応と水生成反応のカイネティクスに関する詳細なデータを取得し、これをカィネティックモンテカルロ法によるシミュレーションと比較することによって、反応メカニズムの詳細を明らかにすることができた。 さらに、XAFS以外の軟X線領域の手法にエネルギー分散型測定を適用する試みとして、X線光電子回折(XPD)、X線磁気円二色性(XMCD)についての測定環境を整備し、試行的実験を開始した。XPDについてはエネルギー分散型測定が有効になるエネルギー掃引型XPDの測定を実際の吸着系に適用し、この手法が表面吸着構造の解析に非常に有効であることを確認した。また、分子吸着による磁気転移の動的過程を直接追跡する手段として、エネルギー分散型XMCDの測定を行い、分子吸着に誘起される磁化容易軸の回転において動的特異性を示すことをみいだした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Nakamura, et al.: "Effective Insulating Properties of Autoxidized Monolayers using Organic Ditellurides"J.Am.Chem.Soc.. 124. 12642-12643 (2002)
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[Publications] A.Y.Matsuura, et al.: "Adsorption of Merocyanine Dye on Rutile TiO_2(110)"Chem.Phys.Lett.. 360. 133-138 (2002)
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[Publications] D.Matsumura, et al.: "X-ray magnetic circular dichroism study of spin reorientation transition of magnetic thin films induced by surface chemisorption"Phys.Rev.B. 66. 024402 (2002)
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[Publications] H.Kondoh, et al.: "Adsorption of methylthiolate to singly coordinated sites on Au(111)evidenced by photoelectron diffraction"Phys.Rev.B. 90. 066102 (2003)
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[Publications] A.Nambu et al.: "Film Growth and X-Ray-Induced Chemical Reaction of Thiophene Adsorbed on Au(111)"Surf.Sci.. (印刷中). (2003)
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[Publications] 雨宮健太, 近藤 寛, 太田俊明: "軟X線エネルギー分散型表面XAFS法による表面化学反応の時分割追跡"表面科学. 23巻6号. 345-351 (2002)
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[Publications] 太田俊明, 雨宮健太, 近藤 寛: "エネルギー分散型表面XAFS法"放射光. 16巻1号. 34-40 (2003)