2002 Fiscal Year Annual Research Report
走査プローブ法による少数分子系の界面近傍分極の評価と制御
Project/Area Number |
14205009
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 啓文 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40283626)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 圭 京都大学, 国際融合創造センター, 助手 (40335211)
石田 謙司 京都大学, 工学研究科, 講師 (20303860)
堀内 俊寿 京都大学, 工学研究科, 助手 (10238785)
|
Keywords | 非接触原子間力顕微鏡 / NC-AFM / 分子分解能観察 / 周波数検出 / 分子分極 / 単一分子物性評価 / アルカンチオール / VDFオリゴマー |
Research Abstract |
固体表面上の単一/少数分子の分極評価を行うためには、所望の位置にある分子の直接観察、高空間分解能分子物性計測は必要不可欠である。今年度の研究では、有機分子試料の高分解能構造観察法の確立を目標として、非接触原子間力顕微鏡(NC-AFM)にり種々の分子の非破壊高分解能観察を行った。これまでの研究において進めてきたAFM技術を基に、電圧制御水晶発振器(VCXO)を用いた周波数検出器を開発し、また分子試料作製技術および分子観察条件を確立することによって、安定な分子分解能観察に成功した。これまでに分子分解能観察が可能となった分子には、C60分子/Si(111)-7×7表面、アルカンチオール自己組織化単分子膜(SAM膜)/Au(111)表面、VDFオリゴマー/KCl(100)表面、ポリジアセチレン結晶(Poly-PTS, bc-へき開面)、銅フタロシアニン/MoS2(0001)表面などがある。 これらの試料の中でも、アルカンチオールSAMは、高い構造秩序性をもち、自己組織系のモデルとして構造・物性の解明が重要、終端官能基を変えることができ、分子種・官能基識別の実験あるいは分子物性評価を行う際のモデル試料となる、などの点から、NC-AFMによる分子観察技術確立に果たす役割は極めて大きいと考えられ、特にアルカンチオールSAMの観察を積極的に進めた。Au-チオール間の特異的結合は、しばしば分子の固体基板へのアンカリングとして用いられるが、一方で分子-金属間の電気接合系としての役割を担っていることも多く、その微視的な界面電子状態の評価も重要な課題となっている。Au(111)表面上のアルカンチオールSAM膜は、【square root】3×【square root】3R30°構造やc(4×2)構造、P×【square root】3構造(pは整数)といったいくつかの異なる表面構造をとる。この中で、c(4×2)構造はさらにいくつかの表面構造相をもつとされ、例えば、異なる分子面をもつ分子の配置の違いにより形成されるとzigzag phaseとrectangular phaseが存在する。実際、本研究におけるNC-AFM観察によって、これらの表面構造相を捉えることに成功した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Takeshi Fukuma: "Molecular-scale non-contact AFM studies of ferroelctric organic thin films epitaxially grown on alkalihalides"Surface Science. Vol.516. 103-108 (2002)
-
[Publications] Kei Kobayashi: "Dopant profiling on semiconducting sample by scanning capacitance force microscopy"Appl.Phys.Lett.. Vol.81 No.14. 2629-2631 (2002)
-
[Publications] Takashi Miyazaki: "Fabrication of Nanometer-Scale Pattern Using Current-Controlled Scanning Probe Lithography"Jpn.J.Appl.Phys.. Vol.41 No.7B. 4948-4951 (2002)
-
[Publications] Hirofumi Yamada: "Local structures and electrical properties of organic molecular films investigated by non-contact atomic force microscopy"Appl.Surf.Sci.. Vol.188. 391-398 (2002)
-
[Publications] Kei Kobayashi: "Dynamic force microscopy using FM detection in various environments"Appl.Surf.Sci.. Vol.188. 430-434 (2002)
-
[Publications] Nobuo Satoh: "Investigations of Local Surface Properties by SNOM Combined with KFM Using a PZT Cantilever"EICE Trans.Electron.. Vol.E85-C No.12. 2071-2076 (2002)