2002 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロマシニングによるモバイル型マイクロエンジン発電技術の研究開発
Project/Area Number |
14205017
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
杉山 進 立命館大学, 理工学部, 教授 (20278493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥山 寿之 立命館大学, COE推進機構, 助教授
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Keywords | マイクロ内燃機関 / オットーサイクル / 共振 / 発電 / 誘導起電力 / 水素ガス / バルクマイクロマシニング / シリコン |
Research Abstract |
マイクロレシプロエンジンを応用したマイクロ発電機の設計を行った。バルクマイクロマシニング等のマイクロ加工への適合性と機械的強度を考慮して、エンジンの基本構造材料に単結晶シリコンを採用した。エンジンの代表寸法は、縦x横x高さ〜15mm x〜10mm x〜1mmである。エンジンは、弾性ビームで支持された2つの対抗ピストン(ピストン-ビーム系と定義する)、ピストンの往復運動をガイドするとともに給排気用流路を備えたシリンダーケース、給排気ポートを有する上部ガラスプレートとローレンツ-レンツ型の誘導起電力発電機から構成される。エンジンサイクルはオットーサイクル(2サイクル)を採用し、燃焼はスパークプラグによる水素ガス燃焼を利用している。提案するエンジンの特徴は、水素ガスの燃焼周期とピストン-ビーム系の1次固有振動数を同期させてピストン-ビーム系の共振を励起することにより、ローレンツ-レンツ型の発電機による出力を増加できる機構を有することである。この機構を実現するためのエンジン構造を検討するために、[1]熱力学サイクル計算、[2]ピストン-ビーム系の振動解析、[3]エンジン構造解析、[4]出力計算を実施した。[1]では第1近似として空気標準のオットーサイクルを用いた。その結果、圧縮比5、工程容積0.5mm^3、サイクル最高温度850K,サイクル最高圧力1.4MPaのときに、理論効率0.47を得た。[2]ではピストン-ビーム系を、半正弦波パルスと近似した燃焼衝撃力が間欠的に作用する1次元線形振動系と仮定することにより共振条件を解析した。その結果、半正弦波パルスの周期である燃焼周期とピストン-ビーム系の1次固有振動数(582Hz)の比が1.05近傍で共振が励起されることを明らかにした。[3]ではピストン-ビーム系の固有振動数解析と応力解析、シリンダーケース部の熱伝導と熱変形解析を実施し、それぞれの設計値がシリコンの機械的強度の範囲内にあることを確認した。[4]ではローレンツ-レンツ型の誘導起電力発電機の電気等価回路を用いて出力算出を行い、約40mWを達成できる見通しを得た。
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[Publications] S.Nakano, K.Hashimoto, T.Toriyama S.Sugiyama: "Design of a Reciprocating Engine for Micro Power Generator"Proceedings of the 19th Sensor Symposium. 501-506 (2002)
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[Publications] S.Sugiyama, T.Toriyama: "Design of a Micro Reciprocating Engine for Power Generation"International Workshop on Power MEMS, Power MEMS 2002. 56-59 (2002)