2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14205027
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
稲崎 一郎 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30051650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 藤詞郎 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70129302)
若林 利明 香川大学, 工学部, 教授 (00294736)
須田 聡 新日本石油(株), 潤滑油研究所, 主事
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Keywords | 切削加工 / セミドライ加工 / 切削油剤 / 切削工具 / トライボロジ / 環境対応型加工 |
Research Abstract |
本研究は,極微量の切削油剤を圧縮空気とともに切削点近傍に噴霧して加工を行うセミドライ切削加工の広範な実用化を目的として,切削点におけるトライボロジ機構を明らかにすることを第一の目的として平成14年度より3年間の研究計画で遂行された.今年度はその最終年度にあたることから,所期の研究目標達成に向けた実験ならびに解析を行い、かつその総括を行った.以下に得られた成果を要約する. (1)本研究において設計製作した雰囲気制御切削試験機を用いて,切削加工時の金属新生面に対する様々な物質の吸着現象や,水素発生現象について詳細に解析を行った.酸素やエステルは金属新生面に対して吸着性があること,逆に窒素は吸着しないことが明らかとなった.さらに,酸素やエステル油剤を工具逃げ面側より供給することで,これらの物質の吸着による潤滑効果についても明らかとすることができた. (2)セミドライ加工用切削油剤に適する各種合成エステルを探索し、それらの有する基礎的トライボロジ特性を摩擦摩耗試験機で、実用切削性能を旋削加工で評価して検討した結果、セミドライ加工への各種合成切削油剤の適合性を明らかにすることができた. (3)雰囲気制御切削試験機をもちて得られたセミドライ加工における切削油剤と切削特性の関係をもとに,実用マシニングセンタを使用した,実切削加工実験を行い,実用切削条件下におけるセミドライ切削特性と切削油ならびにその搬送気体との関係を明らかにした.その結果,搬送気体中に含まれる窒素や酸素が切削性能に強く影響を与えることが指摘された. 以上に記述した今年度の成果と過去2年間の成果から,環境対応型セミドライ切削加工における,切削油剤ならびに搬送気体等の選択とその供給方法に関する実用的な知見を得ることができた.
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Research Products
(5 results)