2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14205029
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 孝久 独立行政法人産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 総括研究員 (60152716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益子 正文 東京工業大学, 大学院・理工学研究科化学工学専攻, 教授 (60111663)
石田 敬雄 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 研究員 (40281646)
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Keywords | ナノトライボロジー / 自己組織化単分子膜 / 摩擦制御 / ダイヤモンドライクカーボン / パーフルオロポリエーテル / 二分子層潤滑膜 / 固定層 / 流動層 |
Research Abstract |
超高密度記録用には厚さが2nm程度の潤滑膜が求められる。しかし、潤滑膜には磁気ディスク表面を保護する吸着性と摩擦を低下させる流動性が同時に求められる。1つの分子あるいは1層の潤滑膜でこの両者を同時に満たすことはできないため、吸着性を受け持つ吸着層と流動性を受け持つ流動層とを個別に制御して潤滑膜を形成する必要がある。本年度の成果を以下に記す。 (1)吸着層と流動層からなる潤滑膜の総膜厚は潤滑剤分子溶液の濃度、および引き上げ速度に伴って厚くなることが明らかになった。しかし、その後の熱処理は総膜厚を低下させることを明らかにした。一方、吸着層は熱処理時間に伴って厚くなることを明らかにした。こうして、潤滑層厚さを1Åの精度で固定するノウハウを得た。 (2)吸着層、流動層いずれも摩擦係数を低下させる。しかし、前者の方が低下率は高い。裸面の摩擦係数が0.6のDLCを用いると、摩擦係数低下率は、吸着層が0.19nm^<-1>、であるのに対し流動層は0.0079nm^<-1>であった。また、耐久性も固定層の方が流動層より寿命が短いと言う結果を得た。 (3)固定層の膜厚が1.0〜1.5nmでかつ、流動層の膜厚が1.5〜2.0nmの最も摩擦係数が低く、また寿命も長い。これよりさらに潤滑膜を厚くすると、摩擦係数は増加し、また潤滑膜の寿命も短くなった。この原因は、目視によれば、潤滑膜表面の不均一性(粗さ)増加によるものと考えられる。
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[Publications] J.Choi, M.Kawaguchi, T.Kato: "The Surface Coverage Effect on the Frictional Properties of Patterned PFPE Nanolubricant Films in HDI"IEEE Transactions on Magnetics. 39,5. 2192-2494 (2003)
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[Publications] M.Kawaguchi, J.Choi, T.Kato, K.Tanaka: "A Study of Friction Properties of ZDOL on Magnetic Disk Surface"IEEE Transactions on Magnetics. 39,5. 2483-2485 (2003)
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[Publications] M.S.Mayeed, T.Kato: "Roughness and undulations of the free surface of ultrathin liquid films of perfluoropolyethers on solid surface effect of polar interaction"IEEE Transactions on Magnetics. 39,5. 2456-2458 (2003)
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[Publications] J.Choi, T.Kato: "Development of the Mixed Nanolubricant System by the FDTS Islands and PFPE Mobile Phase"IEEE Transactions on Magnetics. 39,5. 2444-2446 (2003)
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[Publications] 加藤孝久, M, S.Mayeed, 川口雅弘, J.Choi: "PFPE超薄膜内の分子形態に関するモンテカルロシミュレーション"トライボロジスト. 48,8. 679-686 (2003)
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[Publications] J.Choi, T.Kato, Langmuir: "Nano-Rheological properties of Perfluoropolyether Meniscus Bridge in the range 10 to 1000nm"Langmuir. 19. 7933-7940 (2003)