2002 Fiscal Year Annual Research Report
ターボポンプインデューサの不安定現象防止法に関する研究
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14205030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻本 良信 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (50112024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 義樹 航空宇宙技術研究所, 角田宇宙推進技術研究所, 上席主任研究員 (80240836)
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Keywords | 旋回キャビテーション / インデューサ / 翼端漏れ渦 / LES / キャビテーションサージ / 逆流渦 |
Research Abstract |
本年度は,旋回キャビテーションの防止法を考える上で重要と思われる,以下に示す(a)逆流渦,(b)翼端漏れ渦キャビテーション,(c)ケーシング形状の影響について,現象の解明を試みた. (a)逆流渦:逆流渦を伴うインデューサ内部流れの解析は,数値シミュレーションにより行った.手法はk-εモデルを用いたRANS解析,及び,非定常特性を解析する際に有利とされるLESを行った.これにより,逆流渦の詳細な構造や挙動などが明らかとなった. (b)翼端漏れ渦キャビテーション:翼端漏れ流れが作る速度せん断層が巻き上がることで生じる翼端漏れ渦キャビテーションの性質を調べるために,ダクト中の主流に,これと垂直な方向にダクト壁面のスリットからジェットを吹き込むモデル実験装置を製作し,スリット幅(翼端隙間幅に相当),ジェット流速(漏れ流れの流速に相当)などのパラメータを独立して変化させ,翼端漏れ渦キャビテーションの性質を調べた.この結果,翼端幅が大きく,漏れ流れの流速が大きいときに最もキャビテーションが発生しやすいということが判明した. (c)ケーシング形状の影響:3種類のケーシングを用い,インデューサの水流し試験を行った.ケーシングには段差を設け,段差の開始位置や翼端隙間幅をパラメータとして実験を行った.その結果,翼端隙間幅が実機に用いられている程度の大きさで段差開始点が前縁付近にある場合,通常の旋回キャビテーションの発生条件は小さくなるが,新たに高次モードのキャビテーションサージと旋回キャビテーションが発生することが明らかとなった.しかし,翼端隙間をこれよりも小さくすることで高次モードの旋回キャビテーションも抑制されることが判明した.
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[Publications] 藤井明, 東誠治, 吉田義樹, 辻本良信, 堀口祐憲, 渡邉聡: "インデューサに生じる高次の先回キャビテーション"日本機械学会論文集(B編). 58巻669号. 1466-1473 (2002)
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[Publications] 川村有輔, 日高達哉, 藤井明, 内海政春, 吉田義樹, 辻本良信: "インデューサの揚程低下時に発生する高次の旋回キャビテーション"日本機械学会論文集(B編). 69巻678号. 120-128 (2002)