2002 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブエンジニアリングの基礎と電子デバイス構築
Project/Area Number |
14205048
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中山 喜萬 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (20128771)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
潘 路軍 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (50326279)
秋田 成司 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (60202529)
平井 義彦 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (50285300)
|
Keywords | カーボンナノチューブ / マニピュレーション / 過剰通電 / 蒸発 / ピンセット / 分光 / 塑性変形 / 分子動力学 |
Research Abstract |
本研究は、カーボンナノチューブ(CNT)に関する加工プロセスの基礎を築き電子デバイス構築の指導原理を明らかにすることを目的にしている。研究の進捗状況は下記の通りである。 1.実験に用いるCNTの準備:最内径〜0.4nmのCNTのアーク放電による合成条件の探索を行った。また、多層CNTから単層CNTを抽出する方法を検討した。走査型電子顕微鏡マニピュレータ(ナノファクトリー)内で二つの電極間に橋渡ししたCNTに過剰電流を通電し、最外層から一層ずつ蒸発させ、最終的に最内層の単層CNTを取り出すプロセスを開発した。 2.透過型電子顕微鏡(TEM)に装着するマニピュレータの開発:高分解能観察下でCNTを操作するため、共同利用装置の透過電子顕微鏡に脱着可能なマニピュレータを開発した。それは可動ステージを2台もち、粗微動により相対的にX、Y、Z方向にÅ〜mmオーダの範囲で動かせる。一つのステージは500℃まで加熱が可能。また3つの電圧電流導入端子をもつ。 3.局所温度センサーの開発:1)CNTピンセット先端に感熱部をもつ温度センサーの開発に向けて、高絶縁性のピンセット基盤を開発した。シリコンチップを5000Å厚の酸化膜で被覆しそれに電気配線し、〜1MΩ以上の絶縁抵抗を得た。2)微小領域の2000℃を越える高い温度測定のため、ナノファクトリーに分光計測系を組み込んだ。これにより多層CNTが通電により各層が蒸発する温度の計測に成功した。 4.CNTの塑性変形の基礎(I):1)CNTに強制変形を与え高温中に置いたときに誘起される塑性変形と、2)CNTの局所的な欠陥が機械特性におよぼす影響について分子動力学法(Terssof-Brenerr型ポテンシャル)により計算した。その結果、1)については折れ曲がりによる歪みが大きい箇所の六員環構造が変化し結合状態が変化していることを確認し、2)については1個の欠陥の存在が強度を大きく劣化させることを予測できた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 秋田成司 他: "走査型電子顕微鏡内に設置したナノスケール加工機(ナノファクトリー)によるカーボンナノチューブの切断と先端先鋭化"真空. Vol.45,No.12. 854-857 (2002)
-
[Publications] S.Akita, Y.Nakayama: "Extraction of Inner Layer from Multiwall Carbon Nanotubes for Scanning Probe Microscope Tip"Proc. of Microprocesses and Nanotechnology 2002 and 2002 Int. Microprocesses and Nanotechnology Conference (Tokyo). 8-9 (2002)
-
[Publications] H.Negishi, M.Ohashi, S.Akita, Y.Nakayama: "Orthopedic Treatment of Multiwalled Carbon Nanotube Probes"Proc. 10th International Colloquium on Scanning Probe Microscopy (Hawaii). 61 (2002)
-
[Publications] S.Akita, Y.Nakayama: "Scanning Probe Microscope Tip with Extracted Inner Layer of Multiwalled Carbon Nanotubes"Proc. 10th International Colloquium on Scanning Probe Microscopy (Hawaii). 21 (2002)
-
[Publications] S.Akita, Y.Nakayama: "Extraction of Inner Shell from Multiwall Carbon Nanotubes for Scanning Probe Microscope Tip"Jpn. J. Appl. Phys. (掲載決定).
-
[Publications] Yoshihiko Hirai, et al.: "Molecular Dynamics Studies on Mechanical Properties of Carbon Nanotubes with Pinhole Defects"Jpn. J. Appl. Phys. (掲載決定).