2004 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブエンジニアリングの基礎と電子デバイス構築
Project/Area Number |
14205048
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中山 喜萬 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20128771)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 義彦 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50285300)
秋田 成司 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60202529)
潘 路軍 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50326279)
|
Keywords | カーボンナノチューブ / マニピュレーション / 過剰通電 / 蒸発 / ピンセット / 分光 / 塑性変形 / 分子動力学 |
Research Abstract |
1.透過電子顕微鏡(TEM)に装着するマニピュレータの改良:可動ステージの駆動方法を検討し直し、また数を1台に減らし操作性を確保した。 2.CNTの塑性変形の動力学の解明:操作性(剛直性)の観点から2層CNTを選択した。弾性的な曲げに通電し曲げ塑性変形を実現した。閾値電流密度(活性化エネルギーに相当)の存在と、その直径および電子ビームエネルギー依存を見いだした。 3.CNTの融着接合の動力学の解明:2層CNTを過電流通電により一旦切断し、その切断面を接合することに成功した。分子動力学計算では、切断面はエネルギー障壁なしに接合する。しかし、実験では接触だけでは接合に至らず、通電エネルギーの必要性を明らかにした。 4.塑性変形CNTおよび接合CNTの構造、機械特性、電子状態の評価:1)塑性変形による曲げ角度は20°〜30°の範囲にあることを見いだした。5-7員環対を複数、例えば(15,15)CNT(直径2nm)の場合14対の導入により曲げ角30°が得られる。この曲げを複数導入しU型構造を作製した。2)塑性変形曲げ部位および接合部位は高い弾力性と強度をもつ。3)曲げ部位に大電流を供給することにより、直線状に復帰する新規な現象を見いだした。 5.塑性変形および融着接合が及ぼす電気伝導特性の解明とデバイス展開に向けた指導原理構築:1)曲げ変形および接合による電気伝導特性変化を計測し、電気抵抗への影響が小さいことを見いだした。2)過電流通電による多層CNTの昇華の可視化に成功し、昇華に伴う電流変化との詳細な関係を明らかにした。また、3)CNT先端への電界集中による現象解明、CNTトラス構造の構築と強度計測、CNT振動子構築と微小質量計測、CNTの通電加熱を利用したナノヒータ構築、さらにCNTナノベアリングの可能性について調べ、CNTデバイス展開に向けた基礎データを蓄積した。
|
Research Products
(35 results)