2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14205064
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
町田 篤彦 埼玉大学, 工学部, 教授 (50008869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 博 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40120919)
辻 幸和 群馬大学, 工学部, 教授 (50048922)
大即 信明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40211106)
上田 多門 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00151796)
二羽 淳一郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60164638)
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Keywords | 維持管理システム / 拡散係数 / 電気泳動法 / 塩害 / 中性化 / アルカリ骨材反応 / 複合劣化 / AE法 |
Research Abstract |
構造物の維持管理システム構築に必要な要素技術の向上を目指す研究を行い、以下の成果を得た。 (1)コンクリート中を移動する陽イオンの拡散係数を電気泳動法で求め、これと相関が良い空隙構造係数を新たに提案した。また、塩化物イオンの拡散に及ぼすひび割れの影響を定式化した。 (2)有限要素解析により、曲げ破壊するRCはりでは、アルカリ骨材反応(以下、ASR)でコンクリートが膨張すると、曲げひび割れ発生荷重は増大するが最大荷重には影響は見られないこと、その他の傾向を捉えることができた。 (3)塩害と中性化が複合して作用すると、鉄筋の腐食量は塩害と中性化を足した腐食量よりもはるかに大きくなること、この腐食進展状況は、解析によっておおよそ推定さきること、ひび割れは腐食促進試験におけるよりも低い腐食量で発生すること、などが明らかとなった。 (4)塩害とASRが複合する場合・鉄筋の腐食は、塩害によるひび割れが先行する場合、ASRの影響は小さいが、ASRによるひび割れが先行する場合、塩害のみの場合に比較してASRの影響は大きいことを定量的に明らかにすることができた。 (5)累積AEにより、ひび割れ形成量あるいはひずみエネルギー吸収量が把握できること、RC床版におけるひび割れ進展の有無を、AE法を用いて識別できることなどが明らかとなり、供用中のコンクリート構造物における損傷診断に、AE法を適用できる可能性が確認できた。 (6)新たに開発した解析手法を用い、塩分浸透による鉄筋腐食がRC部材のせん断破壊に及ぼす影響を評価した。また、有限要素法により付着劣化を考慮した解析を行い、損傷部位と構造性能の変化の関係を明らかにした。 また、構造物の維持管理システムに関する既往の成果に本研究の成果を組み込むことにより、より高度な維持管理システムの構築を図った。
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Research Products
(6 results)