2003 Fiscal Year Annual Research Report
流れ・物質輸送・一次生産に着目した礫床河川の生態系基盤形成機構に関する研究
Project/Area Number |
14205070
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
池田 駿介 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60016590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 和弘 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (60242161)
島田 正志 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (10272436)
石川 忠晴 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50159696)
戸田 祐嗣 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (60301173)
浦瀬 太郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60272366)
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Keywords | 礫床河川 / 栄養塩輸送 / 生物一次生産 / 付着藻類 / 土砂流出 / 流域負荷 / 高水敷植物 |
Research Abstract |
本年度は,礫河原植物による栄養塩吸収特性,河床付着藻類の栄養塩吸収と増殖,出水時の流域からの土砂流出特性についてそれぞれ以下に示される研究を実施した. 1、礫河原植物による栄養塩吸収特性:礫河原に生息する草本植物であるツルヨシを対象として,ツルヨシの成長に関する現地観測を実施した.観測の結果,水分供給の観点からは有利な位置に生息している高水敷上の水際付近においてツルヨシの成長量が小さいことが示された.観測地に生育するツルヨシを採取し,水耕栽培実験を実施した.実験では光合成による蒸発散量,栄養塩吸収量,呼吸量を計測した.その結果,ツルヨシの栄養塩吸収量は根の呼吸量と密接に関連していることが示された.また,根の呼吸量は周辺土壌中の酸素量に関連しており,根が冠水すると呼吸量および栄養塩吸収量が低下することが明らかになった. 2、付着藻類の栄養塩吸収と増殖:河川水内の一次生産者である付着藻類について,実験水路を用いて増殖実験を実施した.実験では,付着藻類をその体のつくりによって,糸状藻,非糸状藻に分類し,それぞれの光合成,呼吸速度,剥離特性および増殖過程を計測した.実験の結果,糸状藻,非糸状藻の最大光合成速度,最大呼吸速度には有意な違いは見られないこと,藻類の剥離率は摩擦速度がある一定の値を上回ると急激に増加すること,光合成速度や呼吸速度に大きな違いの無い糸状藻,非糸状藻の増殖においても,増殖の終期には糸状藻が優占する群落へと遷移することが明らかになった. 3、出水時の流域からの土砂流出特性:出水時の流域からの土砂流出特性について,沖縄県石垣市の名蔵川を対象として現地観測を実施した.観測では,流域の多くの部分を占める畑地について,サトウキビの被覆の有無による土砂流出量の違いを計測した.観測の結果,サトウキビの被覆によって降雨時の土砂流出量が70%程度抑制されることが明らかになった.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 中嶋洋平: "石垣島名蔵川における土砂・栄養塩の流出に関する現地観測"土木学会論文集. 747. 173-185 (2003)
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[Publications] 中矢哲郎: "側岸部植生密度の変化が開水路横断方向運動量輸送に及ぼす影響"河川技術論文集. 9. 383-388 (2003)
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[Publications] Yuji Toda: "Laboratory experiment and numerical computation of growth of periphyton on flat channel bed"proceedings of XXX IAHR congress. C-1.1. 187-194 (2003)
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[Publications] 戸田祐嗣: "単細胞・群体型付着藻類と糸状型付着藻類の増殖競争モデルの開発"河川技術論文集. 9. 481-486 (2003)
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[Publications] 赤松良久: "マングローブ水域における物質循環シミュレーション"水工学論文集. 47. 1015-1020 (2003)