2003 Fiscal Year Annual Research Report
人体生理モデルに基づく人体周辺微気象のCFD解析と吸入空気質の同定
Project/Area Number |
14205084
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
村上 周三 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40013180)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 達也 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (30302532)
大岡 龍三 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90251470)
加藤 信介 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00142240)
|
Keywords | パーソナル空調 / CFD / 被験者実験 / 呼吸空気質 / 熱的快適性 / 熱的適応特性 / 作業効率 / VOC |
Research Abstract |
本年度は(1)CFD (Computational Fluid Dynamics:数値流体力学)によるパーソナル空調使用時の呼吸空気質の検討(2)被験者実験によるパーソナル空調使用が熱的刺激緩和時間(熱的適応特性)と作業効率へ与える影響の検討(3)CFDによる呼吸空気質改善のためのVOC濃度低減効果の検討を行った。これにより、パーソナル空調システムの最適設計およびVOC吸入性状の実質的評価を目的とした。 (1)パーソナル空調使用時の呼吸空気質の検討 パーソナル空調使用時の受動喫煙リスクを検討した。その結果、パーソナル空調を使用することで、受動喫煙者の吸込気煙の濃度及び副流煙の吸引濃度が低減し、清浄空気を吸引する確率が高くなる。 (2)パーソナル空調の使用が熱的刺激緩和時間と作業効率へ与える影響の検討 活動変化に伴う熱的刺激緩和時間および作業効率を検討した。その結果、(1)歩行後にパーソナル空調を使用することにより、約5〜10分程度の短時間で効率よく熱的中立状態に達する。しかし、(2)熱的中立状態に到達後2,3分経過すると快適感は低下する。(3)作業中のパーソナル空調の使用により熱的快適性及び空気質に対する室内環境満足度や作業効率が向上する。 (3)呼吸空気質改善のためのVOC濃度低減効果の検討 パッシブ吸着建材のVOC濃度低減効果を検討した。その結果、(1)室内全面にパッシブ吸着建材を設置することで室平均濃度は低くなるが、使用面積が狭い場合でもVOCを効果的に除去できる。(2)パッシブ吸着建材設置による呼吸空気質改善が望める。 (4)まとめと今後の予定 パーソナル空調を使用することで効果的な冷却および呼吸空気質の向上が権認でき、室内環境満足度や作業効率も向上する。また、パッシブ吸着建材設置によりVOC濃度の低減を確認することができ、今後はVOC濃度を考慮した呼吸空気質の詳細な検討を行う予定である。
|
Research Products
(9 results)
-
[Publications] 梁禎訓, 加藤信介ら: "パーソナル空調における人体の呼吸空気質のCFD解析 受動喫煙リスクの最小化を計るパーソナル空調"日本建築学会大会学術講演梗概集. D-2. 735-736 (2003)
-
[Publications] 安宅勇二, 加藤信介ら: "揮発性有機化合物の放散・吸脱着等のモデリングとその数値予測に関する研究(その36) 化学反応型パッシブ吸着建材の濃度低減効果に関する実験とCFD解析"日本建築学会大会学術講演梗概集. D-2. 969-967 (2003)
-
[Publications] 金子隆昌, 村上周三ら: "人間のアダプティブ性を考慮したパーソナル空調システムの開発(その3) 従来型パーソナル空調システムの使用・管理上の問題点の検討"日本建築学会大会学術講演梗概集. D-2. 1103-1104 (2003)
-
[Publications] 須藤美音, 村上周三ら: "人間のアダプティブ性を考慮したパーソナル空調システムの開発(その4) パーソナル空調による人体部位別温冷感特性の検討"日本建築学会大会学術講演梗概集. D-2. 1105-1106 (2003)
-
[Publications] 梁禎訓, 加藤信介ら: "パーソナル空調における人体呼吸空気質のCFD解析(その4) パーソナル空調の使用有無による受動喫煙リスクの検討"空気調和・衛生工学学会学術講演会講演論文集. D-3. 217-220 (2003)
-
[Publications] 須藤美音, 村上周三ら: "人間のアダプティブ性を考慮したパーソナル空調システムの開発(その5) パーソナル空調による人体部位別温冷感特性及び熱収支の検討"空気調和・衛生工学学会学術講演会講演論文集. D-3. 221-224 (2003)
-
[Publications] Shuzo Murakami: "Indoor/Outdoor Climate design by CFD based on the Software Platform -Development of CFD Technique from Analysis Tool to Design Tool-"ICHMT 4th International Symposium on TURBULENCE, HEAT AND MASS TRANSFER, THMT-03. 51-70 (2003)
-
[Publications] 横田知博, 村上周三ら: "実大室内におけるパッシブ吸着建材の面積効果に関する数値解析"日本建築学会関東支部研究報告集. 1. 595-598 (2004)
-
[Publications] 金子隆昌, 村上周三ら: "室内環境満足度による知的生産性の総合評価に関する研究(その1) WEB型調査法の概要と空調の個別制御性の検討に関する実験"日本建築学会関東支部研究報告集. 1. 715-718 (2004)