2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14205100
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
幾原 雄一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70192474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 克志 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20334310)
岩本 知広 熊本大学, 工学部, 助教授 (60311635)
山本 剛久 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (20220478)
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Keywords | 粒界性格 / バイクリスタル / トリクリスタル / セラミックス / 高分解能電子顕微鏡 / ドーパメント / 粒界すべり / 粒界偏析 |
Research Abstract |
申請最終年度である今年度は、これまで得られたデーターの整理と、とりまとめのための補足実験を行い、以下の知見を得た。アルミナ[0001]結晶軸を回転軸とする対称傾角粒界からなる双結晶を種々作製し、高温クリープ試験を行い、各単一粒界の粒界すべり挙動について系統的に調べた。単一粒界のクリープ挙動は、粒界方位関係に依存して粒界すべり量が大きく変化し、その粒界すべり速度の差は最大で約100倍となることを見出した。従来は、この様な粒界特性は、粒界の幾何学的整合性という画一的な解釈のもとに理解・整理されてきた。しかしながら、本実験で得られた結果では必ずしも粒界整合性とその粒界すべり特性とは一定の相関性を示さないことが明らかとなり、単一粒界の粒界すべり速度の粒界性格依存性が・値で表される粒界幾何学には単純には従わないことを突き止めた。この起源を明らかにするため、高分解能電子顕微鏡(HRTEM)による粒界原子構造解析を行い、HRTEM像および格子静力学計算による最安定構造との相関を調べたところ、粒界性格に依存して粒界コア構造における原子数密度が著しく異なることが明らかとなった。さらにこの結果に基づきクリープ実験で得られた各単一粒界のクリープ速度とコア構造における原子数密度との関連性を調べたところ、両者には良い相関関係があることが見出され、粒界コア構造とそこでの原子密度が粒界すべり挙動に対する重要因子であることを突き止めた。 本研究において、セラミックスの粒界クリープ特性に対する粒界局在構造の重要性を定量的に示すことに成功し、粒界設計指針を得ることができた。
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Research Products
(6 results)