2004 Fiscal Year Annual Research Report
磁気特性変化による複相合金中の格子欠陥の同定と変形機構解明、材料信頼性評価
Project/Area Number |
14205105
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬越 佑吉 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00029216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 貴由 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30243182)
安田 弘行 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 助教授 (60294021)
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Keywords | 自発磁化 / 保磁力 / 常磁性 / 疲労 / 変形 / 超常磁性 / 材料信頼性 / 超合金 |
Research Abstract |
疲労等で金属材料を変形すると多数の転位が導入される。この材料の変形機構ならびに信頼性評価を行うには、変形で導入された転位等の格子欠陥を観察することが不可欠である。従来、この格子欠陥は透過電子顕微鏡により観察されていたが、高転位密度になると転位近傍の大きい応力場の影響でその観察が困難である。一方、変形に伴う転位の導入ならびに面欠陥近傍の原子配列の乱れに起因して磁気特性が著しく変化する。この変形による磁気特性変化を利用して、変形に伴う格子欠陥の観察ならびに材料信頼性評価を行った。ニッケル超合金のモデル試料として、Ni_3(Al, Ti)単結晶を作製し、γ',(L1_2型規則構造)単相とした後、時効処理によってγ'母相中にγ相を微細析出させた。γ'相はAl濃度が高いため常磁性であるが、高濃度のNiを含むγ相は強磁性を示す。そのため、γ相の時効析出に伴い、自発磁化ならびに保磁力ともに増加する。時効初期には、析出物は球状であるが、時間経過に伴って板状になる。保磁力は強い異方性を示すため板状への形態変化によって急速に保磁力は増加した。Ni_3(Al,Ti)単結晶について球状の析出物を含む場合(3時間時効)と、板状の析出物を含む場合(100時間時効)を疲労変形し、磁気特性変化を測定することによって変形微細組織観察を行った。両試料ともに、疲労変形に伴って自発磁化は減少した。特に、疲労変形が進むと急速に自発磁化が低下した。この、疲労変形に際し、γ析出相は転位によって切断されるが溶解することはなく、その体積率は変化しないため、自発磁化は変化しないはずである。この、急速な自発磁化の低下は、転位による切断によって析出物の寸法はナノスケールとなり、超常磁性を示すことに起因している。一方、板状から球状への変化に伴って保磁力も急速に低下した。また、自発磁化、保磁力変化を通じて疲労段階の推察が可能であり、信頼性評価に応用できる。このように磁気特性変化を通じて、変形機構を明らかにした。
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Research Products
(5 results)