2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14205110
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Research Institution | OSAKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
碓井 建夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中里 英樹 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30283716)
田中 敏宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10179773)
原 茂太 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029116)
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Keywords | ダイオキシン / 電磁波照射 / 濃度・温度境界層の消散 / 浮遊カーボン系物質 / CO / CO_2リッチ濃度境界層 / PVC燃焼 / 非平衡領域 |
Research Abstract |
燃焼実験および熱力学的基礎研究結果から、ダイオキシン類は熱力学的に非平衡な場すなわち排ガス中に残存した浮遊カーボン(C)系物質ごく表面上のCO/CO_2比の高い場において生成されることが明らかである。この浮遊C系物質を分解・消滅させること、あるいは浮遊C系物質から塩素を分離することによりダイオキシン類は生成されないと考えられる。 本研究では、燃焼排ガスにエネルギー密度の高い電磁波を照射し、浮遊C系物質ごく近傍のCO/CO_2比が高い濃度・温度境界層を消散することによりダイオキシン類ゼロ生成を目指した。 ダイオキシン類TEQ(毒性等量)濃度が85ng-TEQ/m^3(s.t.p.)、Total濃度が3,500ng/m^3(s.t.p)のPVC燃焼排ガスに電磁波を照射した。電磁波照射条件は、出力1.8kW、915MHz、照射時間6秒間、排ガス温度約150℃である。電磁波照射後のダイオキシン類TEQ濃度は2.4ng-TEQ/m^3(s.t.p.)へ、Total濃度は140ng/m^3(s.t.p.)へと減少し、ダイオキシン類の分解率は約97%に達した。電磁波を照射することにより、浮遊C系物質自身が温度上昇することにより分解・燃焼すること、およびダイオキシン類が生成している浮遊C系物質ごく近傍の濃度境界層が消散されることにより、多くのダイオキシン類が分解されたと考えられる。 温度が約150℃の排ガスへの電磁波照射でも、約97%のダイオキシン類が分解できたことから、さらに高温度域で電磁波を照射するとダイオキシン類の分解率はさらに向上すると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 川端 弘俊, 丸川 雄浄, 碓井 建夫, 原 茂太, 田中 敏宏, 中里 英樹: "Fe・Cu・プラスチック系混合スクラップの高温処理過程におけるダイオキシン類ゼロ生成"9th Symposium on "Microjoining and Assembly Technology in Electronics". Vol.9. 377-382 (2003)
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[Publications] Hirotoshi KAWABATA, Tateo USUI, Hideki ONO-NAKAZATO, Masayuki TANABE, Katsukiyo MARUKAWA, Shigeta HARA, Toshihiro TANAKA: "Experimental Studies on the Factors Influencing the Formation of Dioxins in the Combustion Process"The Japan/Korea International Symposium on Resources Recycling and Material Sciences. 4-5 Sep.. 137-142 (2003)
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[Publications] Hirotoshi KAWABATA, Tateo USUI, Hideki ONO-NAKAZATO, Masayuki TANABE, Katsukiyo MARUKAWA, Shigeta HARA, Toshihiro TANAKA: "Influence of Chlorine Forms and Dechlorination on Dioxins Formation/Suppression in the Combustion Processes"RESOURCES PROCESSING. Vol.51-1. 1-5 (2004)