2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14205113
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
寶田 恭之 群馬大学, 工学部, 教授 (70154929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 佳代子 群馬大学, 工学部, 助手 (50344924)
尾崎 純一 群馬大学, 工学部, 助教授 (30214125)
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Keywords | 黒液 / バイオマス / ガス化 / 熱分解 / 触媒 / アルカリ金属 |
Research Abstract |
パルプ製造プロセスでは、木材中のリグニンを溶かし出すために大量の水酸化ナトリウムが使用されており、残渣として黒液が排出される。そこで本研究では、排出される黒液を高活性な炭素質ガス化用触媒として利用し、木質系バイオマスを高効率にガス化する新規なガス化プロセスの開発を検討する。 本年度は黒液の熱分解・ガス化特性を検討するとともに、黒液とバイオマスとの混合ガス化を試みた。使用した黒液および木質系バイオマスの分析値は、黒液(水分,33、揮発分,22、灰分,37、固定炭素,8Wt%)、バイオマス(水分,6、揮発分,80、灰分,1、固定炭素,14wt%)である。黒液-バイオマス混合ガス化には、バイオマス原料およびバイオマスチャーを用いた。すなわち、バイオマスチャー重量基準として黒液を1:1で混合し、CO_2ガスを用いてガス化した。ガス化温度は700〜800℃である。バイオマスチャーの固定炭素転化率はガス化温度に依存し、反応時間2hでは、700、750、800℃の各ガス化温度に対し、8、28、70%の転化率が得られた。また、バイオマスチャーの転化率はガス化時間とともに単調に増加し、速度プロファイルは0次反応に近いことが分かった。 バイオマスチャーと黒液を1:1の混合比で混合し、750℃でガス化した場合、混合試料の転化率はガス化時間とともに増加し、20minで87%の転化率に達した。黒液とバイオマスチャーが相互作用なしに単独でガス化したとした場合に比べて転化率は著しく高く、黒液がバイオマスチャーのガス化速度を促進することが明らかとなった。バイオマス原料と黒液とを混合してガス化した場合も混合による促進効果が顕著に認められた。尚、チャーと黒液との混合ガス化に比べて、促進効果は若干小さかった。
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[Publications] 宝田恭之, 松嶋功治: "黒液を触媒として利用した新規なバイオマスガス化法の開発"化学工学会第67年会. (2002)
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[Publications] 宝田恭之, 山田章博, 森下佳代子: "触媒によるバイオマスガス化時のタール分解"化学工学会,第35回秋季大会. (2002)