2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規非対称酸素透過膜の開発とメタン酸化反応への応用
Project/Area Number |
14205117
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菊地 英一 早稲田大学, 理工学術院(理工学部), 教授 (90063734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松方 正彦 早稲田大学, 理工学術院(理工学部), 教授 (00219411)
関根 泰 早稲田大学, ナノプロセス研究所, 講師 (20302771)
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Keywords | 酸素分離膜 / 混合伝導体 / 合成ガス / 膜反応器 / 部分酸化 / 天然ガス / 非対称膜 / ペロブスカイト |
Research Abstract |
本研究で開発した非対称膜における酸素透過特性について、SrFeCo_<0.5>O_X膜を用いて検討を行った。対称膜と同じ緻密層膜厚をもつ非対称膜について酸素透過能を比較した結果、空隙率の大きい非対称膜は対称膜を上回る酸素透過能を示した。対称膜における酸素透過は高温ではバルク拡散、低温では表面交換反応に制限されていた。これに対し非対称膜については低温でもバルク拡散が支配的であることがわかった。これは、緻密層に多孔質層を付与することにより膜表面積が増大し、表面交換反応の影響が減少したためと考えられる。 酸素透過膜について、不活性ガス流通下と比較し、反応条件下で酸素透過流束が数倍に向上することが知られている。しかし、その原因についての検討はほとんど行われておらず、また、膜反応器におけるメタンの部分酸化の反応経路についての知見も少ない。本研究では、Sm_<0.4>Ba_<0.6>Co_<0.2>Fe_<0.8>O_<3-δ>膜およびRh(1wt%)/MgO触媒を用いて反応を行い、酸素透過流束の向上の原因および反応経路について考察した。その結果、CO、H_2を供給することで酸素透過能が向上したことから、反応器中で生成したCOおよびH_2と膜表面の酸素種とが反応してCO_2とH_2Oを与える反応が酸素透過能の向上に寄与する可能性が示された。また、反応器中で生成したCOおよびH_2が膜表面で酸化され、生成したCO_2とH_2Oが触媒層中でCH_4とドライリフォーミング、水蒸気改質を起こしCO、H_2を生成するという反応経路が存在することが示唆された。 Sm_<0.4>Ba_<0.6>Co_<0.2>Fe_<0.8>O_<3-δ>非対称膜および対称膜を用い、メタンの部分酸化を行った。非対称膜を用いた膜反応器は幅広い反応条件下で高いCH_4転化率および酸素透過流束を示し、さらに安定した反応成績を示すことが明らかになった。
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Research Products
(1 results)