2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスケール液液二相系における電荷移動共役の機構解析と分離化学への応用
Project/Area Number |
14205120
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
垣内 隆 京都大学, 工学研究科, 教授 (20135552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 雅博 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60182648)
西 直哉 京都大学, 工学研究科, 助手 (10372567)
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Keywords | 常温溶融塩 / 微粒子 / イオン移動 / AOT / ゼータ電位 / 液液界面 / イオン性液体 / 薄膜 |
Research Abstract |
今年度は、常温溶融塩(RTMS)水|(W)界面の電気二重層の研究、参照電極用の塩橋として実際に応用可能なゲル化RTMSの電位応答の検討、分極性RTMS|W界面を横切るイオン移動並びに促進イオン移動の研究を行った。また、昨年度に確立したRTMS微粒子を用いる電気二重層構造とゼータ電位との関係について研究した。 カチオンにN-octadecylisoquinolinium、アニオンにtetrakis[3,5-bis(trifluoromethy)phenyl]borateを用いる新規RTMSを合成した。このRTMSは、LiCl等の親水性電解質を含む溶液と接すると700mV以上の大きな分極電位領域を示す事を見いだした。この分極性RTMS|W界面を横切るイオン移動を内径数ミクロン程度のガラス毛細管の先端に作ったRTMS|W界面を用いCV測定により調べた。イオン移動による電流-電圧曲線の特異な形状を、毛細管先端近傍の幾何的に制限された拡散とRTMSの大きな粘性率を考慮することにより説明できることを示した。RTMS相に疎水性イオノフォアを溶解させ、親水性の大きい金属イオンを電気化学的にRTMS相に取り込むことに成功した。 RTMSに溶解したフェロセン及びその誘導体とW相に溶かしたフェリシアンイオンとの間の電子移動反応速度を、両相に溶かした電位決定イオンの分配比を変えて測定する事に初めて成功した。興味深いことに、RTMS|W界面における電子移動速度定数は、1,2-dichloroethane|W界面の場合より一桁程度大きい。 4級アンモニウムをカチオン、bis(2-ethylhexyl)sulfosuccinate(BEHSS)をアニオンとするRTMS微粒子のゼータ電位をRTMS|W界面の電位差と関連づけて解析した。
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Research Products
(7 results)