2004 Fiscal Year Annual Research Report
ポストリチウム電池用ポリアニオン系新規電極材料の開発
Project/Area Number |
14205124
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岡田 重人 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教授 (10304841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山木 準一 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (70294981)
江頭 港 山口大学, 工学部, 助教授 (20304842)
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Keywords | リチウム二次電池 / 正極活物質 / インターカレーション / ホスト化合物 |
Research Abstract |
次世代の安価高電圧ポストリチウムイオン電池用正極活物質の実現をめざし、H14年より種々のポリアニオン系正極を探索してきた中でリン酸鉄はレアメタルフリーの鉄系正極の中でも最もエネルギー密度が高く、現時点では一番有望な次世代正極候補である。最終年度に当たる今期は、リン酸鉄系に焦点を絞り溶融法と湿式法での安価プロセスの確立とその正極特性、反応機構解析を行った。今年度得られた主な成果を下に列記する。 1)溶融法によるリン酸鉄の短時間合成 オリビン型LiFePO_4は安価で低環境負荷のレアメタルフリー正極として注目されているが、大気中での合成ができず、鉄2価の出発原料が決して安価でないという合成プロセス上の問題があった。そこで合成時間の短縮と原料の低コスト化を狙い、高温溶融法による安価な酸化鉄からの分単位での短時間合成に成功した。また、LiFePO_4だけでなく、これにMnを置換添加したLiFe_<0.5>Mn_<0.5>PO_4についても、同じく高温溶融法によってオリビン結晶体の合成に成功し放電電圧のチューニングができることを示した。 2)湿式法でのリン酸鉄の低温合成 三方晶FePO_4は材料コスト、合成コストが安価であることから次世代Liイオン二次電池用正極として研究が行われている。しかし、三方晶FePO_4はオリビン型LiFePO_4とは異なる頂点共有骨格のみからなる特異な構造であるために、ゲスト収容サイト間のボトルネックが大きいことに着目し、Liに比ベイオン半径比で1.3倍大きなNaに対してもインターカレーションホストとして同様に機能し140mAh/gの可逆容量を示すことを発見した。NaはLiより標準電極電位が0.3V低いものの、Liに比べ低環境負荷で安価なため魅力的な次世代負極材料で本研究により、FePO_4正極とNa負極の組み合わせによる最も安価な二次電池系の実証に成功した。
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