2003 Fiscal Year Annual Research Report
人工関節軟骨を目指した超低摩擦・高強度高分子ゲルの創成
Project/Area Number |
14205133
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
ぐん 剣萍 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20250417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 義仁 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60007804)
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Keywords | ゲル / 表面摩擦 / 静止摩擦 / 人工関節 / 緩和 / 粘弾性 / 吸着 / 静電反発 |
Research Abstract |
これまでの研究で、ゲルの表面に高分子鎖の自由末端が存在すると、両末端固定の網目表面より摩擦係数がさらに1〜2桁下がることが発見した。本年度はこのような表面高分子鎖の形状の効果を明らかにすることを目的とした。そのために、グラフト鎖の分子量や密度を精密に制御されたゲルとそれに対応する両末端架橋するゲルの合成をまず行った。ゲル表面の高分子鎖を両末端化学架橋することによって固定する場合と片末端固定場合比較した結果、グラフト鎖の密度が一定にしたときに、その長さ(分子量)がある臨界値を超えると、摩擦抵抗が急激に下がり、グラフト鎖効果は臨界分子量が存在することを始めて明らかとなった。また、高い滑り速度において、グラフト鎖の長さが大きくなるにつれて、グラフト鎖の効果が無くなり現象はグラフト鎖間が物理的絡み合いが形成される場合による効果を明らかにした。グラフト鎖の効果はせん断応力による高分子鎖の変形と関連を付けられ、グラフト鎖効果は高分子鎖のShear Thinning Effectであることを始めて明らかとなった。 前年度に独自に設計・試作した大荷重下の摩擦測定装置を用いて、これまで手付かずの人体並の高荷重(100kg/cm^2)領域でのゲル摩擦挙動・グラフト鎖効果を研究した。その結果、大荷重下においても我々が提案している吸着・反発説が成り立つこと、グラフト鎖効果を示すことを明らかにした。 平行して、オルガノゲル(有機溶媒ゲル)の表面にも超低摩擦構造を導入し、超低摩擦能を発現させた。この結果は、非極性有機溶媒を含む有機ゲルの振る舞いを調べることによって、ヒドロゲル中における極性溶媒である水の役割を明らかにするとともに工業面への広い応用が期待できる(ゲルを用いた新規ベアリング機構の開発、マイクロマシーンの潤滑等)。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] J.P.Gong 他3名: "Double Network Hydrogels with Extremely High Mechanical Strength"Advanced Materials. 15・14. 1155-1158 (2003)
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[Publications] D.Kaneko 他2名: "Friction of Gels. 7. Observation of Static Friction Between Like-Charged Gels"Journal of Physical Chemistry B. 41・22. 2808-2815 (2003)
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[Publications] K.Yamaoka 他3名: "Liquid Crystalline Gels 4. Water- and Tension-Induced Mesophase Transition"Langmuir. 19・20. 8134-8136 (2003)
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[Publications] D.Kaneko 他7名: "Thickness decrease of a grafted polyelectrolyte membrane exposed to shear flow"Journal of Polymer Science Part B : Polymer Physics. 41・22. 2808-2815 (2003)
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[Publications] K.Kakugo 他4名: "Growth of Large Polymer-Actin Complexes"Bioconjugate Chemistry. 14・6. 1185-1190 (2003)
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[Publications] Y.M.Chen 他3名: "Effect of Hydrophobic Side Chain on Poly(carboxy lacid) Dissociation and Surfactant Binding"Macromolecules. 36・23. 8830-8835 (2003)
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[Publications] Y.M.Chen 他3名: "Influence of Shear Stress on Cationic Surfactant Uptake by Anionic Gels"Journal of Physical Chemistry B. 107・49. 13601-13607 (2003)
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[Publications] T.Tada 他4名: "Friction of Poly(Dimethyl Siloxane) Gel and its Transition Phenomenon"Tribology Letter. (in press).