2004 Fiscal Year Annual Research Report
岩石の超臨界水誘起割れを利用した超臨界貯留層の設計と亜臨界領域との融合
Project/Area Number |
14205149
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋田 俊之 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40180814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 一夫 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30111256)
土屋 範芳 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (40207410)
新堀 雄一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90180562)
高橋 亨 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50323051)
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Keywords | 地熱エネルギー / 超臨界水 / 岩石-水相互作用 / 人工貯留層 / 超臨界水誘起微視割れ / 応力腐食割れ / 割れ機構 / 熱抽出 |
Research Abstract |
平成16年度には以下の研究を行うことにより,超臨界水環境下における応力腐食割れに関する知見を得るとともに,超臨界貯留層と亜臨界貯留層の融合効果を検討するための数値シミュレーションコードの基礎を構築した. 1.露頭花こう岩(飯館花こう岩)を用いて3軸圧縮試験を行い,せん断破壊のき裂面近傍と遠方領域のき裂密度を測定することにより,平成15年度までの研究により見出していた超臨界水誘起微視割れに加えて,応力作用効果により微視割れが促進される現象のあることを新たに見出している.この,化学的ならびに力学的作用の重畳効果は,亜臨界水条件に比較して超臨界水条件で格段に大きいことを明らかにしている.上述の知見を,き裂密度に加えて破壊特性に及ぼす影響の観点から検討することを目的とした,ひずみ速度を変化させた3軸圧縮試験を実施した.用いたひずみ速度の範囲内では,亜臨界水条件では顕著なせん断破壊特性のひずみ速度依存性は小さいことに対して,超臨界水条件においてはひずみ速度が減少するに従いせん断破壊強度が小さくなることを示している.これは,超臨界水環境下において応力腐食割れが顕著になることを示しており,本研究ではじめて見出された現象である. 2.水の超臨界状態を考慮し,さらに超臨界貯留層と亜臨界貯留層の融合効果を検討するために2相流状態における流動を考慮した循環による熱抽出シミュレーションコードを作成した.これにより,抽熱性能を向上させるための超臨界貯留層条件に関する基礎的な知見を提供している.
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Research Products
(6 results)