2002 Fiscal Year Annual Research Report
有機塩素化合物および油系に汚染された土壌のバクテリアによる無害化処理
Project/Area Number |
14205151
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
藤田 豊久 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (70124617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 修 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (60113891)
柴山 敦 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (30323132)
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Keywords | 油汚染 / 有機塩素系汚染 / バクテリア / 土壌汚染処理 / ダイオキシン類分解 / 選鉱学的土壌浄化 |
Research Abstract |
油井の油水分離槽の水中からバクテリアを採取し、水中に分散させたダイオキシン類を1日程度で高速にある程度分解するバクテリアを用いて、油汚染土壌およびダイオキシン類汚染土壌の浄化を試みた。第1の、油汚染土壌に対しては、油汚染が濃厚な系に対しては、まず、選鉱学的処理により油を除去減少させたのち、バクテリアによる分解処理を試みた。油分含有率3%、pH6の土壌では、まず水酸化ナトリウム水溶液および過酸化水素水を添加してpH11.5として油をほぐし、ついでこれを水と混合して界面活性剤水溶液を添加して気泡に油を付着させる浮遊選鉱法で油除去を試みた。油の種類にもよるが、50%以上の油除去効果が得られた。この処理した後の油が残存している汚染土壌を10mesh以下と細粒にしてバクテリア水溶液を添加し、空隙剤として木屑も混入してかくはんした後、静置して油濃度を時間経過ごとに測定した。本実験では1週間ごとにサンプリングし、長期間による土壌の油分解実験を試みた。油の分解が確認され、さらに現在、長期間の油分解実験を継続調査中である。第2の土壌中のダイオキシン類のバクテリアによる分解に関しては、河川、湖沼のダイオキシン類を分解することを想定して、1gの土あたり高濃度の合成ダイオキシン10ppmを混合した土に、コロニー形成したバクテリア水を添加してダイオキシン類の分解実験を試みた。ダイオキシン類の濃度は48時間後に約10%減少することが確認された。一方、実際のダイオキシンで汚染された土壌想定実験では合成ダイオキシン類の濃度を1ppmとして模擬土壌に混合し、同様のバクテリア水を添加して分解を試みた。合成ダイオキシン類の濃度は12日後に約20%減少することが確認された。現在、バクテリアの濃縮方法、各種条件を変化させてさらに調査中である。
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