2003 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報等を利用したイネ収量関連形質の遺伝子発現解析
Project/Area Number |
14206004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大杉 立 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40343107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 竜郎 独立行政法人農業技術研究機構, 北陸農業研究センター, 主任研究官
佐々木 治人 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (60225886)
山岸 徹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50143409)
石丸 健 独立行政法人農業生物資源研究所, 生理機能研究グループ, 研究員
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Keywords | イネ / 収量 / 登熟 / QTL解析 / マクロアレイ / 炭素代謝 / 品種間差 |
Research Abstract |
イネの収量構成形質については従来から調査・検討されてきたが、それらの構成形質がどのような制御を受けているか、品種間差は何によってもたらされているのかについて、遺伝子レベルではほとんど解明されていない。本研究では、遺伝子レベルでの発現制御を網羅的にスクリーニングできるマクロアレイ技術、QTL解析などを用い、収量構成形質の発現過程に関する遺伝子やタンパク質を同定することを目的とした。得られた結果、ならびに経過は以下の通りである。 (1)イネの強勢穎果と弱勢穎果におけるデンプン含量の違いには、胚乳細胞数の違いが関係しているが、強勢穎果の胚乳細胞分裂に関わると考えられていた細胞壁結合型インベルターゼの遺伝子OsCIN1は、弱勢穎果の胚乳細胞分裂時においては低いレベルにあり、その他のアイソフォームOsCIN2やINV1が弱勢穎果の胚乳細胞分裂に関与することが示唆された。 (2)イネの収量構成形質の異なる日本晴とタカナリ(タカナリは多収品種である)を用いて、各品種の葉身・葉鞘・穂における炭素代謝関連遺伝子の発現量を、関連遺伝子約300種類を搭載したマクロアレイを用いて経時的に測定し、品種間での違いを比較した。結果に関しては、現在解析中である。 (3)コシヒカリ/Kasalath由来CSSL39系統を用い、各染色体をカバーするCSSLとコシヒカリとの表現型の差から、有用遺伝子座領域(QTL)の発見と実証を試みた。草丈及び稈長、茎数、出穂期止葉葉身のSPAD値及び比葉重に関するQTL領域を特定した。今後、出穂期止葉葉身のRuBisCo含量及びSPS含量について解析を進める。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Ishimaru T., T.Matsuda, R.Ohsugi, T.Yamagishi: "Morphological development of rice caryopses located at the different positions in a panicle from early to middle stage of grain filling"Functional Plant Biology. 30. 1139-1149 (2003)