2003 Fiscal Year Annual Research Report
都市化が森林からの熱・水・CO_2・フラックスと境界層構造に及ぼす影響の定量的評価
Project/Area Number |
14206018
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
服部 重昭 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30273212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檜山 哲哉 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 助教授 (30283451)
田中 隆文 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (40192174)
太田 岳史 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20152142)
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Keywords | 落葉広葉樹二次林 / 熱収支 / CO2フラックス / 群落コンダクタンス / 水収支 / 乱流観測 / 蒸散速度 / 摩擦速度 |
Research Abstract |
瀬戸国有林、東山キャンパスおよびトヨタフォレスタヒルズの落葉広葉樹二次林において、群落内外の微気象観測および群落樹冠上での乱流観測を行い、水、熱エネルギーおよびCO2の輸送・交換特性などを解析し、以下の結果が得られた。なお、本年度から瀬戸国有林で樹冠遮断量の観測を開始した。 1.瀬戸国有林の放射特性を把握するため、アルベドおよび各種放射量の季節変化の実態を解析した。アルベドは冬季に大きく、夏季に小さい傾向を示し、太陽高度の季節変化に依存して変化することを明らかにした。ただし、4〜5月の落葉樹や常緑樹の開葉期には一時的にアルベドが増加することが分かった。なお、アルベドの年平均値は10.5%で、落葉樹林より大きく常緑樹林に近似した。また、日射量に対する純放射量および有効長波放射量の割合は、それぞれ約50%、約40%で、純放射量の割合は既往の報告より小さい傾向を示した。 2.瀬戸国有林で樹冠遮断量を推定するため、樹冠通過雨量、樹幹流下量および林外雨量を測定した。樹冠通過雨量は5台の貯留型雨量計を移動させながら観測し、樹幹流下量は4本の供試木に捕捉装置を取り付け測定した。樹冠通過雨量は林外雨量と線形関係があり、林外雨量のおよそ80%と推定された。 3.瀬戸国有林で熱収支特性解析を行い、植物成育期にはボーエン比が0.1程度まで低下することが示された。また、個葉スケールでの光合成・蒸散の季節変動を解析し、春季には蒸散速度が小さいにもか変わらず光合成速度は夏季とほぼ同程度の値を示した。これは水利用効率が春季に高いことを示唆している。高タワーを利用して境界層中の温湿度と風向風速プロファイルの観測を開始した。 4.都市二次林(東山キャンパス)における土壌ー森林ー大気間の運動量・熱・水・CO2フラックス観測に基づいて(1)森林土壌内におけるCO2生成・輸送モデルの開発、および(2)森林ー大気間の運動量・熱・水・CO2交換モデルの開発と検証を行った。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Satiraporn, S., 檜山哲哉他: "落葉・常緑広葉樹林から構成される二次林の気孔コンダクタンスの日変化と季節変化"水文・水資源学会誌. 16(2). 113-130 (2003)
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[Publications] 牧野太紀, 服部重昭, 佐野方昴: "土壌呼吸連続計測装置の開発と土壌呼吸の季節変化"中部森林研究. 51. 281-284 (2003)
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[Publications] 岩田直子, 服部重昭, 朴 昊澤: "落葉広葉樹二次林における蒸散速度の日変化鍍季節変化"中部森林研究. 52. 229-232 (2004)
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[Publications] 大黒健一, 服部重昭: "落葉広葉樹二次林における放射収支"中部森林研究. 52. 225-228 (2004)