2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14206022
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山内 晧平 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (10109514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 彰彦 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (40091483)
足立 伸次 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (40231930)
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Keywords | ニホンウナギ / アンドロゲン / 11-ケトテストステロン / メチルテストステロン / 卵母細胞 / 油球 / 卵質 / ステロイド合成酵素 |
Research Abstract |
これまでに未成熟雌ニホンウナギに11-ケトテストステロンあるいは17α-メチルテストステロン(MT)を投与すると初期卵成長(油球蓄積)が促進されることを報告した。本年度は、このようなアンドロゲン処理がその後の人為催熟へ及ぼす影響について検討した。実験1として、卵径約140μmの卵母細胞を持つ個体に、実験2として、卵径約180μmの卵母細胞を持つに対して経口投与した。2ヵ月後にサンプリングまたは生検により卵巣を採取し、組織観察に供した。生検を行った個体については、サケ脳下垂体(40mg/kg-体重)を週1回連続投与した後、排卵誘導し、受精率とふ化率、無給餌生残指数を算出した。その結果、実験1では、経口投与開始2ヶ月後には、MT投与群で対照群に比べ有意な卵径の増大と生殖腺体指数(GSI)の増加が観察された。また、卵巣の組織観察の結果、MT投与群では対照群に比べ卵母細胞内に顕著な油球の蓄積が観察された。人為催熟の結果、人為催熟開始8週目までに対照群では2尾、MT投与群では8尾の成熟個体が得られたが、対照群では受精卵が得られず、MT投与群ではふ化仔魚が得られた。実験2では、経口投与開始2ヶ月後の対照群とMT処理群の卵径とGSIには有意差は認められなかったが、油球の蓄積は対照群に比べMT処理群で若干多く見られた。人為催熟の結果は、対照群では2尾、MT処理群では6尾が産卵したが、ふ化仔魚は対照群で1尾から、MT処理群で5尾から得られた。従って、アンドロゲン前処理は催熟期間の短縮および卵質改善に有効であることが示唆された。しかし、MT経口投与は摂餌量が減少すること、またMT処理魚でも排卵しない個体や受精率が低いものが観察されたことから、更なる検討が必要と考えられた。
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Research Products
(1 results)